安全管理者とはどんな役割があるの? 衛生管理者との違いはなに?

衛生管理者と同じように、一定の条件を満たしている職場では安全管理者を選任しなくてはなりません。
では、安全管理者とはどのような役割があるのでしょうか?
そこで、今回は安全衛生管理者の役割や選任されるために必要な条件をご紹介します。
衛生管理者と安全管理者の違いもご紹介しますので、「この2つの違いがよくわからない」という方はぜひ記事を読んでみてくださいね。
また、衛生管理者の資格取得を目指す方も必見ですよ。

目次

  1. 安全管理者とは?
  2. 安全管理者と衛生管理者の違いとは?
  3. 安全管理者の仕事内容とは?
  4. おわりに

1.安全管理者とは?

まず始めに、安全管理者の役割や選任される条件をご紹介します。
衛生管理者と同じように、資格取得が必要なのでしょうか?

1-1.安全管理者の役割とは?

安全管理者とは、労働安全衛生法で定められている職場の安全全般を管理する役割を担当する人のことです。
職場によっては、危険なものを扱うこともあるでしょう。
また、作業内容が危険なケースもあります。
ごく一般的なオフィスでも、危険は潜(ひそ)んでいるでしょう。
たとえば、仕事で使う資材などを無造作に積んでおくと地震の際に崩れてくる場合もあるのです。
さらに、コンセントが少ない古いオフィスでたくさんパソコンを使っている場合、コンセントの定格容量をオーバーして火災が起きるかもしれません。
つまり、どのような職場でも、安全管理をする人は必要なのです。

1-2.安全管理者を配置しなければならない職場とは?

安全管理者は林業や鉱業、建設業など労働災害の多い職場で、従業員が常時50人以上いる場合に選任しなくてはなりません。
従業員が10人以上50人未満の場合は、安全衛生推進者を選任します。
衛生管理者と同じように、従業員の雇用形態は関係ありません。
正社員1人にアルバイトやパートが49人の職場でも、常時使用しているのならば安全管理者の選任が必要です。
また、従業員が300人を超える建設業や石油製品製造業など一定の条件を満たした場合は、最少1人の安全管理者を「専任」にしなくてはなりません。
専任とは、安全管理者の業務が主な仕事内容という意味です。
ほかの仕事と兼任しながら安全管理を行う、というわけにはいきませんので専任の人を選ぶ際は人選に注意してください。

1-3.安全管理者に選任されるための条件とは?

安全管理者は、衛生管理者のように国家資格ではありません。
ですから、「この資格を取らなければ、安全管理者になれない」ということはないのです。
ただし、全く経験がない人を安全衛生管理者に選任することはできません。
安全管理者に選任されるためには、

  • 大学か高等専門学校の理科系の科目を卒業し、その後2年以上産業安全の実務を経験した者。
  • 高等学校や中等教育学校の理科系の課程を卒業し、その後4年以上産業安全の実務を経験した者。
  • そのほか、厚生労働大臣が定める者。
  • 労働安全コンサルタント。

といった条件があります。
この条件を見ると、理系以外の学部を専攻した人は安全管理者に選任できないようにも思えるでしょう。
しかし、理系以外の学部を卒業しても大卒ならば4年、高等学校なら6年、それ以外の学校ならば7年間産業安全の実務を経験した人なら選任できます。
また、2006年度より安全管理者に選任されるためには、安全管理者選任時研修の受講が必要になりました。

2.安全管理者と衛生管理者の違いとは?

安全管理者は、職場の安全管理全般を行います。
一番の任務は、労働災害を防止すること。
たとえば、職場に危険なものが放置してあったり設備が老朽化して事故を起こす可能性があったりすれば、それを改善します。
また、従業員が事故を起こす危険性が高い方法で仕事をしていれば、それを改善させなければなりません。
さらに、従業員が事故を起こさないように安全教育を施(ほどこ)すのも、大切な役割でしょう。
一方、衛生管理者は、従業員が安全に衛生的に仕事を行えるように職場環境を整えるのが職務です。
一見すると同じ仕事をしているように思う人もいるでしょう。
しかし、事故が起きないようにきれいに整えられた職場でも、有害物質が気体となって漂(ただよ)っているかもしれません。
そのような環境を改善するのが、衛生管理者の役割。
また、衛生管理者は従業員の健康管理も行っているのです。
健康診断の結果を確認し、従業員に病院へ行くように勧めたり産業医との面談を設定したりします。
しかし、安全管理者と衛生管理者の仕事が全く無関係ではありません。
協力しあうことで職場の労働災害を減少させ、従業員が安全で衛生的に仕事を行える職場ができるでしょう。
ですから、職場によっては「安全衛生委員会」を設置して、協力して仕事を進めていくこともあります。

3.安全管理者の仕事内容とは?

では、安全管理者はどのような仕事をするのでしょうか?
最後に、安産管理者に選任された場合の仕事内容をご紹介します。

3-1.職場の安全管理

安全管理者の最も重要な仕事です。
定期的に職場を巡回して、危険な場所がないか確認しましょう。
仕事で安全装置や保護具、危険を防止する設備を使っている場合はそれらの確認も必要です。
また、案外忘れがちなのが消火器具や避難器具の確認。
特に、危険物を取り扱っている職場の場合は、火災に備えなくてはなりません。
場合によっては、危険物取扱者の資格保持者と協力して点検を行うこともあるでしょう。
器具や装置の劣化や職場で危険なところが見つかった場合は、素早く改善しなくてはなりません。

3-2.従業員の安全教育

いくら職場の安全性を高めても従業員が危険なやり方で仕事をしていれば、労働災害が発生する可能性があります。
特に、最近は作業効率を優先するあまり、定められた作業マニュアルを勝手に省略する人も少なくないのです。
実際、勝手に作業マニュアルを省略して仕事を行っていた結果、労働災害が起きた例もあります。
ですから、半年に1回程度は従業員の安全教育を行いましょう。
マニュアルを作って「読んでおくように」というだけではなく、講義形式にするとより効果的です。

3-3.労働災害が発生した場合は原因を調査して対策を考える

対策をたてていても、労働災害を完全に防ぐことはできません。
労働災害が発生した場合、安全管理者は原因を調査し、対策を考えます。
必要ならば、衛生管理者と協力して対策を考えることもあるでしょう。
また、調査結果が出たら広く開示(かいじ)することもあります。
これにより、新しい労働災害の発生を予防するのです。

4.おわりに

いかがでしたか?
今回は、安全管理者の役割や専任の条件などをご紹介しました。
まとめると

  • 安全管理者は、職場の安全全般を管理する。
  • 安全管理者は、労働災害の多く常時50人以上従業員を使用する職場で選任される。
  • 安全管理者に資格は必要ないが、実務経験は必要。
  • 安全管理者に選任されるには一定の条件を満たす必要がある。

ということです。労働環境は年を経るごとに改善が進み、昔は危険だった職場でも安全に仕事ができるところが増えてきました。しかし、労働災害がゼロになったわけではありません。
むしろ、以前はなかった労働災害も発生しています。
ですから、安全管理者の責任は重大です。
規模の小さい職場では、安全管理意外にも仕事を兼任していることも多いでしょう。
でも、定期的な職場巡回や器具の点検などは怠らないようにしてください。