騒音対策をしっかりとして職場の環境を整える方法

職場の騒音に関して対策を行わないと、騒音性難聴などを発生する可能性があります。労働安全衛生規則に準じた騒音対策を行わなければなりません。ここでは、職場での騒音対策についてお伝えします。

目次

  1. 騒音とは
  2. 職場での騒音対策の重要性
  3. 騒音の測定方法
  4. 職場の騒音対策

1.騒音とは

1-1.騒音といわれる音

騒音とは、わたしたち人間にとって好ましくない音のこと。音の大きさはデジベル(dB)で示しています。デジベルの目盛りには対数が使われているため、3デジベル増えたときには音の強さが2倍になったと考えなければなりません。たとえば、日常の会話レベルの声は約65dBです。そして、大声の場合は約80dB。この差は15dBですが、大声は日常の会話の30倍も強い音というわけです。
有害な騒音とみなされるのは、音の強さだけではありません。時間も重要なポイントとなるのです。職場の場合、労働時間は1日8時間が基本となっています。この時間を考慮する必要があるというわけです。
有害となる騒音に関係する要素には、主に「衝撃性」「周波数」「時間的分布」があります。

1-2.労働安全衛生規則の目的

労働安全衛生規則で重点を置いているのは、労働者の職場環境の向上と健康管理です。そして、騒音性難聴を予防するのが大きな目的であると考えてください。また、等価騒音レベルを用いることで、測定値の信頼性も向上してきました。

1-3.騒音障害防止のためのガイドラインとは

労働安全衛生規則に基づく取り扱いを含め、事業者が自主的に騒音障害防止対策を体系化したガイドラインを策定しなければなりません。そして、関係する事業場にガイドラインの周知と徹底を図ります。
たとえば、ある事業者は労働安全衛生規則第588条で定められた屋内作業場のほか、騒音レベルが高いとされる作業場を対象に作業環境管理・作業管理・健康管理・労働衛生教育などについて規定しているとのこと。そして、屋内作業場では6か月以内ごとに1度の等価騒音レベルの測定することにしました。測定結果に基づいて作業場を「第1管理区分」「第2管理区分」「第3管理区分」に分けて、それぞれに応じた対策を行います。また、健康診断も定期的に実施することにしました。

2.職場での騒音対策の重要性

騒音にさらされる労働者には、安全衛生に関するさまざまなリスクが生じます

2-1.健康障害

騒音が人体に及ぼす影響で最も大きいのは、騒音性難聴です。騒音によって内耳の感覚細胞が障害されてしまうことで、騒音性難聴が起こります。騒音性難聴の初期症状は、耳鳴りです。また、高音域である周波数4000Hzあたりの聴力が低下してくるでしょう。日常会話の音域はさらに低い傾向があるので、初期症状で難聴を自覚することは少ないようです。しかし、聴力低下が進行してくると会話音域にまで影響が及んできます。この段階になると、会話に支障が生じてしまうでしょう。
騒音性難聴に有効な治療は今のところありません。つまり、騒音によって失われた聴力は取り戻せないということです。また、高齢になる以前に会話が不自由になるということも覚えておいてください。

2-2.生理的影響

騒音にさらされるとカテコールアミンが生成され、血圧が上昇します。そのため、心血管系に悪影響を及ぼすとの報告もあるのです。血液中のカテコールアミンは、ストレスに大きく関係しています。

2-3.作業ミス

職場における騒音は、ストレスの要因となるでしょう。また、作業時に必要となる会話や意志の疎通が妨げられるので、事故が起こりやすい環境であるともいえます。騒音によってストレスも感じているので、事故を起こす可能性は高まるでしょう。

3.騒音の測定方法

3-1.測定方法

単位作業場の床面上に6m以下の等間隔で線を引きます。縦線と横線の交点となる場所の床上1.2m以上1.5m以下の位置に騒音計を置き、10分間の等価騒音レベルを求めましょう。80dBを超える騒音レベル5点以上を測定して算術平均を求めます。そして、この方法で6か月以内ごとに1度測定していくのです。騒音を発生する施設や設備、作業工程、作業方法が変更された場合にも、このような測定を行ってください。
線を引いて交点となる5点以上の平均値を出す測定法は、「A測定」と呼ばれる方法です。音源に接近する場所で測定する方法は、「B測定」と呼んでいます。

3-2.測定の基準

測定は6か月以内ごとに1度の割合で行わなければなりません。また、作業が通常どおり行われている時間帯に行う必要があります。そうして、測定された結果から管理区分が決定されるのです。
「第1管理区分」となった場合には、作業環境管理が適切であると判断される状態になります。そして、「第2管理区分」は作業環境管理になお改善の余地があると判断される状態。「第3管理区分」では、作業環境管理が不適切であると判断される状態となります。この管理区分によって、必要な対策を行っていかなければなりません。

3-3.騒音性難聴の認定基準

騒音性難聴として認められる基準というのもあります。著しい騒音にさらされている業務に長期にわたって従事した後に発生したものであること、と定められているのです。目安として85dB以上の騒音に5年以上さらされている状態のことをさしていますが、個人差があります。
また、鼓膜や中耳に著しい変化が確認できなくて、純音聴力検査の結果が次のとおりである場合です。

  • 「オージオグラムにおいて気導値および骨導値が障害され、気導値と骨導値が明らかな差がないこと。すなわち、感音難聴の特徴を示すこと」
  • 「オージオグラムにおいて聴力障害が低音域より3000Hz以上の高音域において大であること」

そして、内耳炎やメニエール病などによる難聴でないと判断されるものであるという条件があります。

4.職場の騒音対策

測定結果によって決められた管理区分によって、職場の騒音対策を行いましょう。

4-1.第1管理区分

第1管理区分にされた場所については、作業環境をそのまま維持していくように努めます。

4-2.第2管理区分

第2管理区分とされた場所については、その場所を標識によって明示するなどの処置をしなければなりません。そして、施設、設備、作業工程あるいは作業方法の点検を実施し、その結果に基づいた施設や設備の設置・整備、作業工程や作業方法の改善などを行います。作業環境を改善するために必要な処置を行い、第1管理区分となるように努めてください。また、騒音作業に従事する労働者に対しては、必要に応じて防音保護具を着用するようにします。

4-3.第3管理区分

第3管理区分とされた場所については、その場所を標識によって明示するなどの処置をとってください。施設、設備、作業工程あるいは作業方法の点検を行い、その結果に基づいた施設や設備の設置・整備、作業工程や作業方法の改善を実施します。作業環境を改善するために必要な処置を行い、管理区分が第1管理区分あるいは第2管理区分になるために努めなければなりません。また、作業環境を改善するための処置を行った場合には、その効果を確認するために作業環境測定を実施して結果の評価を行ってください。そして、騒音作業に従事する労働者に防音保護具を着用するようにするとともに、防音保護具の使用について作業中の労働者が見やすいところに提示する必要があります。

まとめ

職場の騒音対策が必要であるポイントをまとめておきましょう。

  • 労働安全衛生規則で重点を置いているのは、労働者の職場環境の向上と健康管理
  • 騒音性難聴を予防するのが大きな目的
  • 騒音によって失われた聴力は取り戻せない
  • 職場における騒音は、ストレスの要因となる
  • 騒音レベルの高い職場は事故が起こりやすい

騒音対策をしっかりと行って、職場の環境を整えるように努めてください。