職場で発生する腰痛とは? 対策の方法とともにご紹介します。

職場では、いろいろな事故や病気が発生する恐れがあります。
事故や病気の発生を予防するのも、衛生管理者の大切な役割でしょう。
病気やけがの中で、どの職場でも発生の危険があるのが腰痛です。
そこで、今回は腰痛の発生を予防する対策についてご紹介します。
腰痛というと思い荷物を持ったときなどに発生しやすいというイメージがありますが、腰痛の原因はそれだけではありません。
また、腰痛を予防するために衛生管理者ができる対策もご紹介しましょう。
衛生管理者の方は必見ですよ。

目次

  1. 職場で発生しやすい腰痛の原因とは?
  2. 腰痛の発生を防ぐ方法とは?
  3. 職場で腰痛が発生したら?
  4. おわりに

1.職場で発生しやすい腰痛の原因とは?

対策をご紹介する前に、まずは職場で発生しやすい腰痛の原因をご紹介します。
重いものを持ち上げる機会がない職場でも、気をつけるべきことは多いのです。

1-1.重いものを持ち上げる

重いものを持ち上げる機会が多い職場は、腰痛が発生しやすいです。
製造業だけでなく、病院や介護施設などでも腰痛は発生しやすいでしょう。
また、普通のオフィスでも重いものはあります。
一例をあげると、コピー用紙の束。
紙はまとまると重いのです。
また、数キログラムのものでも、持ち上げ方が悪いと腰痛になる場合があります。

1-2.1日中同じ姿勢で仕事をする

ずっと同じ姿勢を取り続けていると、腰痛を発症しやすいです。
オフィス業務の場合は、1日中座りっぱなしということも珍しくないでしょう。
また、立仕事の職場でも腰痛が発生しやすいです。
さらに、最も腰痛が発生しやすい姿勢は、中腰といわれています。
ですから、中腰の姿勢で作業をすることが多い職場は、十分な腰痛対策が必要です。

1-3.温度が低い

温度が低いと、筋肉はこわばって動きづらくなります。
腰痛も発生しやすくなるでしょう。
生物を扱っている職場では、冬でも暖房が付けられないところも多いと思います。
また、今の季節は冷房が効いている職場も要注意です。
たとえ設定が18度~20度であっても、長時間冷房にあたっていると体が冷えて筋肉がこわばりやすくなるでしょう。

1-4.ストレスが多い職場

ストレスが原因で、腰痛が発生することもあります。
「病院で検査しても何の異常もなかった」という場合は、ストレスが原因のことが多いでしょう。
ストレスで痛みが発生する場所というと、胃というイメージがありますが腰痛を訴える方も少なくありません。
放っておくとほかの部分に症状が出たり、うつ状態になったりする可能性もあるでしょう。

2.腰痛の発生を防ぐ方法とは?

腰痛の原因を見ると、どの職場でも腰痛が発生する危険があることがお分かりいただけると思います。
では、腰痛の発症を防ぐにはどうしたらよいのでしょうか?
この項では、衛生管理者が行える腰痛を予防する対策をご紹介します。

2-1.重いものの持ち方を教える

重いものを持ち上げたり運んだりする場合は、姿勢の工夫次第で腰痛が発生しにくくなります。
たとえば、腰を落として持ち上げるだけでもだいぶ違うのです。
このような知識は、職場の先輩から後輩へと伝えられていくことが多いでしょう。
しかし、衛生管理者が安全管理者と協力して、重いものの持ち方を従業員に教えるとより効果的です。
職場の目立つ場所に、持ち方を図解したポスターを張っておいてもよいでしょう。

2-2.職場のものの配置を工夫する

高いところに重いものをしまっておいたり、備品を大きな単位で置いておいたりすると腰痛が発症しやすくなります。
職場巡視の際に気がついたら、重いものの置き場所を工夫しましょう。
腰の高さに荷物を置けば最も持ち上げやすいですが、不可能な場合は低い位置に置いてください。
脚立などを使わないと取れない場所に重いものを置いておくと、腰痛になりやすくなります。
また、備品のストックは小分けして使う場所にしまっておきましょう。
そうすれば、重いものを持ち上げる機会は少なくなります。

2-3.いすの高さや形状を工夫する

いすの高さや形状が体に合っていないと腰痛が起こりやすくなります。
高すぎる、もしくは低すぎるいすや背もたれがないいすなどは、交換したほうがよいでしょう。
また、机の天板に足がぴったりついていると、血流が悪くなって腰痛が起こりやすくなります。
さらに、腰パッドが付いているいすですと、より腰痛防止になるでしょう。
職場のいすをすべて交換するのは難しいかもしれません。
しかし、健康診断で腰痛を訴えている人などは、優先して交換してあげましょう。
腰痛の悪化が防げます。

2-4.休憩時間や始業時間前にストレッチを推奨する

長時間同じ姿勢をとっていると、どうしても腰痛を発症しやすくなります。
ですから、休憩時間に軽く筋肉をほぐせるストレッチなどを行うように、推奨しましょう。
やり方を紙に書いて配布したりポスター形式で壁に張っておいたりすれば、チャレンジしやすいです。
もちろん許可があれば、全員で一緒に行っても問題ありません。

2-5.産業医との面談の場を設ける

ストレスが原因で腰痛になっている場合は、ストレスの原因を取りのぞくことが大切です。
しかし、ストレスの感じ方は人それぞれ。
同じストレスを受けても全く平気な人もいれば、心身に重要な影響が出る人もいます。
ですから、職場巡視のときに気になる人がいた場合は、産業医との面談の場を設けましょう。
産業医が精神科でないところも多いですが、面談をすれば専門医への紹介状も書いてもらえます。
ストレスで腰痛が発生している人は、不眠などほかの症状も出ている場合が多いので、早い対策が必要です。

3.職場で腰痛が発生したら?

腰痛の中には、ぎっくり腰のように急に発生するものもあります。
従業員がぎっくり腰になったら、無理に動かさずに患部を冷やしましょう。
ぎっくり腰は腰の筋肉の捻挫(ねんざ)です。
ですから、温めるとかえって症状が悪化してしまいます。
氷や保冷剤などで冷やして、痛みが軽くなったらすぐに病院へ行ってください。
また、仕事が原因で慢性の腰痛になったという場合は労災が適応されるケースもあります。
職場の従業員が腰痛で労災認定された場合は、予防対策により力を入れましょう。
衛生管理者は労働災害の発生を予防することも任務のひとつです。
職場巡視や健康診断の管理をしていると、気がつくことは多いと思います。
腰痛の発生を予防するために、立てられる対策は積極的に立てましょう。

4.おわりに

いかがでしたか?
今回は、職場で発生しやすい腰痛の原因や対策についてご説明しました。
まとめると

  • 腰痛はどのような職場でも発生する恐れがある。
  • 腰痛はストレスでも発生する。
  • 重い荷物の持ち方を教えたり、仕事の間にストレッチをしたりすることを推奨するだけで発生を防げる。
  • ストレスが原因で腰痛になっている従業員がいる場合は、産業医と面談の場を設ける。

ということです。
腰痛は最もありふれた体の不調のひとつ。
だからこそ、軽視しがちです。
しかし、腰痛を放っておくと症状がひどくなることが多いでしょう。
そうなると、立つどころか座ることすら大変になります。
そうならないように、健康診断で腰痛を訴える従業員が多い場合は、早めの対策をとりましょう。
また、オフィス業務で重いものを持ち上げる機会もないのに腰痛を訴える従業員が多い場合は、いすを見直してください。
いすが変わるだけでも腰痛が軽減する場合が多いのです。
特に、高すぎたり低すぎたりするいすはすぐに変えてください。