新卒の離職率はどのくらい?離職をする理由とは?本人だけの問題?

「就職氷河期」という言葉はだいぶ前に聞かれなくなりましたが、それでも就職活動の厳しさは続いています。
長い時間をかけて、内定を取る方も多いでしょう。
しかし、新卒の離職率は決して低いとはいえないのです。
それはいったいなぜでしょうか?
そこで、今回は新卒者が短期間で仕事をやめてしまう理由や、離職を防ぐ方法をご紹介します。
新卒者が短期間で辞職してしまうと、本人や人事部が非難されがちです。
しかし、本当に本人のやる気がないだけだったり人事部の見る目がないだけだったりが離職の理由なのでしょうか?
答えはこの記事を読めば分かりますよ。

  1. 離職率って何?
  2. 新卒の離職率はどのくらいなの?
  3. 新卒者が離職する理由とは?
  4. 新卒者の離職を防ぐ方法とは?
  5. おわりに

1.離職率って何?

離職率とは、勤め始めてから一定の期間中に退職した人の割合を数値化したものです。
たとえば、100人就職した人が一定の期間中に10人退職したとすると、離職率は10%になります。
この「一定の期間」に決まりはありません。
ですから、企業によって定める期間はまちまちです。
しかし、新卒の離職率に限っては期間を3年とする企業が多いでしょう。

2.新卒の離職率はどのくらいなの?

新卒といっても、年代には幅があります。
中学卒業後すぐに働いた人の3年以内の離職率は、なんと64%(平成24年度)。
ほぼ半分が離職してしまっているのです。
これが、高卒者では40%、そして大卒者では32%が3年以内に離職しています(同じく平成24年度の数値)。
中卒者の離職率に比べると低いですが、それでも3割以上の方が3年で離職しているのです。
100人の新卒者を採用した場合だと、3年後までに30人が退職してしまう計算になります。
これでは企業も苦労して採用試験をくりかえしたかいがありません。

3.新卒者が離職する理由とは?

新卒がすぐに会社をやめてしまうと、「最近の若い者は」と苦言をいいたくなる方もいるでしょう。
また、「人事部は人の見る目がない」と思う方もいるかもしれません。
しかし、離職の責任が、新卒者や人事部だけにあるとは限らないのです。
この項では、新卒者が離職する理由をご紹介します。

3-1.仕事があわない

今の学生は、よく企業を研究しています。
企業もホームページなどで仕事内容を公開しているところも多いでしょう。
しかし、「実際に働いてみたら、思っていたのと違った」「自分にはどうしても向いていないと分かった」という場合もあるのです。
医療職など、昔からその職業に憧れて専門学校や資格を取れる学部を卒業した人でも、このような理由で退職する方もいます。

3-2.仕事を続ける自信がなくなった

今は新人研修に十分な人手と時間をかけられる企業が、少なくなっています。
入社してすぐに、いろいろな仕事を任せられる新卒者も多いでしょう。
しかし、いくら優秀な学生でも、入社してすぐに完璧に仕事をこなせる人はごくわずかです。
失敗するたびに手ひどく怒られ続ければ、やがて自信を失ってしまうでしょう。
また、今問題になっているブラック企業では入社してすぐに長時間労働をさせて、ろくに休みも取れないところもあります。
そのような企業に入社してしまうと、体だけでなく心の健康も崩してしまうでしょう。

3-3.人間関係の悪化

人間関係の問題は、どの企業でもあります。
しかし、新卒者は会社内での立場が一番下です。
ですから、いろいろなことを押し付けられてしまうこともあるでしょう。
特に、新卒者が少ない企業ほど、新卒者に注目が集まったり注意が集中したりします。
人間関係につまずくと、仕事そのものが嫌になってしまうことがあるのです。
相談できる人がいない場合はなおさらでしょう。

3-4.自分にふさわしい仕事がない

優秀な学生の中には、雑用のような仕事やあいさつ回りなどを「むだなこと」と考えている人もいます。
また、大きなプロジェクトのリーダーなど目立つことをして華々しい成功を収めたい、という方もいるでしょう。
ですから、下積みのような仕事をさせていると、「もっと自分の実力を発揮できる仕事がしたい」と転職してしまうこともあるのです。

4.新卒者の離職を防ぐ方法とは?

苦労して採用した新卒者がすぐにやめてしまうと、企業も困ります。
そこで、この項では新卒者の離職を防ぐ一例をご紹介しましょう。
ぜひ参考にしてください。

4-1.定期的に人事担当者と面接をする

面接というと堅苦しく聞こえますが、これからのキャリアの積み方をアドバイスする、という姿勢でのぞむとよいでしょう。
直属の上司や先輩などには、なかなか悩みを打ち明けられない人もいるはずです。
今の仕事に満足しているかどうかや。これからチャレンジしたい仕事などを聞き、人事の参考にしましょう。
また、甘い考えをしている新卒者には、厳しいことをいうことも大切です。

4-2.新卒者同士のつながりを作る

一昔前までは、大企業は数百人単位で新卒者を採用することが当たり前でした。
ですから、新卒者同士で仲間を作ることも難しくなかったのです。
しかし、今は採用人数を可能な限り減らしている企業も多いでしょう。
大企業でも、各部署1名ずつというところもあるかもしれません。
同じような立場の仲間がいないというのは、意外とつらいです。
もくもくと仕事をこなして帰宅するだけの毎日では、ストレスもたまるでしょう。
ですから、新卒者同士を集めて研修をしたり親睦会を開いたりするなど、新卒者同士のつながりを作ってください。
そうすれば、悩み事を相談しあったりもできるでしょう。
ただし、無理に仲良くさせようとしないことです。
人には相性があります。
また、新卒者が異性同士だった場合は付き合い方も難しくなるのです。

4-3.衛生管理者は、職場巡視のときに気を配る

衛生管理者が職場にいる場合は、新卒者の様子に気を配りましょう。
どんなに優秀な学生でも、入社して数年間は緊張の連続でストレスをためやすいです。
また、ひとり暮らしをしている方は、相談できる人もなく体調や精神の健康を悪化させている場合もあります。
ですから、新卒者の様子が気になったら話を聞いたり産業医との面談を設定したりしてください。
特に、精神の状態が悪くなると回復までに時間がかかります。
たとえ「大丈夫です」といわれても、面談の機会を設けた方がよい場合も多いでしょう。
また、新卒者の上司や先輩に相談されたら、すぐに対処してください。

5.おわりに

いかがでしたか?
今回は新卒者の離職率と離職を防ぐ方法についてご説明しました。
まとめると

  • 新卒者の離職率は、大卒でも低いとはいえない。
  • 新卒者が離職する理由の中には、企業が原因というものもある。
  • 離職者を防ぐためには、会社全体で取り組む必要がある。
  • 衛生管理者は、新卒者の様子に気を配るとよい。

ということです。
今の20代は「ゆとり世代」と呼ばれて、何かと悪くいわれることも多いでしょう。
しかし、新卒者も苦労して入社した企業ですから、できるだけ長く勤めたいと思っている方が多いのです。
それなのに、辞表を出すということは、よほどの理由があることも少なくありません。
離職率が高い職場は、入社希望者の数も減ってしまいます。
ですから、離職の理由を新卒者だけに求めようとせず、企業の新人教育の内容や人間関係などもふりかえってみましょう。
反省するべき点があることが多いです。
また、新卒者に即戦力を求めすぎても無理でしょう。