
高齢社員のモチベーションを向上させる4つの方法とは?
現在の日本は、高齢化が急速な勢いで進んでいます。
現在の定年は60歳ですが、再雇用を望む方も増えているのです。
しかし、「高齢社員のモチベーションがいまひとつで、悩んでいる」という会社は少なくありません。
そこで、今回は高齢社員のモチベーションを向上させる方法をご紹介しましょう。
現在、50代以上の会社員は、高い役職に就いてがんばっていた方も多いと思います。
それが再就職によって失われてしまうとどうしてもモチベーションは下がりがちになるでしょう。
その上げ方を知りたいという方は、ぜひこの記事を読んでみてください。
1.再就職の理想と現実とは?
今の60代は、まだまだ現役といっても過言ではありません。
一般的な企業の定年は60歳ですが、独自に65歳定年制を設けている会社も少なくないでしょう。
また、一度定年退職をした後に嘱託社員として再雇用する会社も多いです。
年金の支給も65歳以上になったことで、嘱託社員を希望する方も少なくないでしょう。
しかし、今の高齢社員はずっと年功序列が当たり前の環境で働いてきました。
大きな功績を上げなくても、年とともに給料も役職も上がっていくのが当たり前だったのです。
また、部下をたくさん抱えて第一線でがんばってこられた方も多いでしょう。
嘱託社員になっても同じように働きたい、と思っている方はたくさんいるはずです。
しかし、企業側としては一度退職した人を、高い給料と役職を与えて雇い続けるのは難しいでしょう。
また、いつまでも役職のいすを高齢社員が独占していれば、若い人が活躍する機会もありません。
ですから、役職もなく給料も下がってしまうことも珍しくないのです。
その結果、「私はもう役立たずだ」とやる気をなくしたり不満をためこんだりして、モチベーションが低下する方も少なくないでしょう。
2.高齢社員のモチベーション低下が招くデメリットとは
では、高齢社員のモチベーションが低下するとどのようなデメリットがあるのでしょうか?
この項では、その一例をご紹介します。
2-1.職場の雰囲気が悪くなる
モチベーションの低い社員がいると、職場の雰囲気が悪化しやすくなります。
これが年若い社員ならば、上司が叱ることもできるでしょう。
しかし、高齢社員のモチベーションが低いと、上司が叱っても効果がないことが多いのです。
しかも、職場のトップが高齢社員の元部下だったりした場合は、注意自体ができないこともあるでしょう。
だらだらとやる気のない社員が目の前にいては、ほかの社員のやる気も失われてしまいます。
上司が注意できないのなら、なおさらでしょう。
2-2.人間関係がぎくしゃくする
高齢社員の中にはモチベーションが低下するだけでなく、不満を若い社員にぶつける人もいるのです。
特に、若い女性社員は標的になりやすいでしょう。また、若い社員に上司のような態度で接する人もいます。
そうなると、若い社員にも不満がたまり、人間関係がぎくしゃくするのです。
高齢社員が複数いる職場では、世代間の断絶も起こりやすいでしょう。
2-3.仕事の能率が低下する
高齢社員を食卓で再雇用し、その分正社員やパートを減らす企業もあります。
雇える人数は限られているので、どこか調整しなくてはなりません。
しかし、高齢社員のモチベーションが低下すれば、仕事の能率は当然下がります。
ですから、ほかの社員にしわ寄せが来ることもあるでしょう。
また、仕事のスケジュールが押して、残業が増えれば企業の経済的な損失も増えます。
3.高齢社員のモチベーションを向上させるには?
では、高齢社員のモチベーションを向上させるにはどうしたらよいのでしょうか?
この項では、その一例をご紹介します。
3-1.社員のモチベーションを上げる方法とは?
社員のモチベーションを上げる方法は、大きく分けてふたつあります。
ひとつは、外的報酬を上げること。
外的報酬とは、昇給や昇進です。
もうひとつは、内的報酬。
これは、達成感や満足感など極めて主観的なのになります。
年齢が若い社員ほど、外的小報酬がモチベーションを上げるきっかけになりやすいでしょう。
ですから、企業は優秀な人材を育て上げるために報酬や役職を用意するのです。
しかし、高齢社員のモチベーションは外的報酬ではなかなか上がりません。
ですから、内的報酬をどうやって感じてもらうかがポイントになるでしょう。
3-2.自分は必要とされているのだ、と感じてもらう
今は、ビジネスのやり方もどんどん変化しています。
昔ながらの仕事のやり方は、古くて非効率なもの思われることも多いでしょう。
しかし、高齢社員の経験や人脈は決して劣化することはありません。
特に、人脈は「この人のお願いなら」「この人に頼まれたら引き受けるしかない」などの理由で、人を動かすこと多いのです。
また、高齢社員の経験に基づいた意見は、若手社員のモチベーションをアップさせることもあるでしょう。
ですから、高齢社員のモチベーションを向上させるには、自分は必要とされていると自己認識してもらうことが大切です。
3-3.若い社員の相談役になってもらう
上司は部下の指導も仕事のひとつです。
しかし、仕事が忙しい職場ですと、指導が行き届かないこともあるでしょう。
また、若手社員の話を聞く余裕がないという方も多いです。
嘱託社員は責任がない分時間もあるという方もいるでしょう。
また、かつては部下をたくさん抱えていた人も多いので、部下の指導には慣れているはずです。
ですから、上司をフォローして、若手社員の相談役になってもらうとモチベーションを向上させやすいでしょう。
特に、人の話をじっくり聞ける人はこの役にぴったりです。
3-4.コミュニケーションを積極的に取ってもらう
高齢社員に内的報酬を感じてもらうには、職場でのコミュニケーションが大切です。
コミュニケーションというと飲み会を想像される方もいますが、若い世代ほど飲み会が嫌い、という方も多いでしょう。
それに、飲み会を開かなくてもコミュニケーションは取れます。
挨拶を積極的にしあうだけでも、会話しやすくなるでしょう。
また、高齢社員に講習会の講師を引き受けてもらったりしても、面白いです。
さらに、社内の研修などで体験談を発表してもらったりするのもお勧めでしょう。
4.おわりに
いかがでしたか?今回は高齢社員のモチベーションを向上させる方法をご紹介しました。
まとめると
- 高齢社員のモチベーションを向上させるには、内的報酬を実感してもらうことが大切。
- 経験や知識、人脈を生かせる仕事をしてもらう。
- 若手社員の相談役になってもらうのもよい。
- コミュニケーションを積極的に取って、職場に溶け込んでもらおう。
ということです。
また、高齢社員の配属先も重要でしょう。
営業のように第一線でバリバリ働く人ばかりの部署に配属されると、どうしても疎外感を覚えやすいです。
ですから、総務など縁の下の力持ち的な部署に配属すると、若手社員のバックアップもしやすいでしょう。
また、相談役などで復帰してきた場合も仕事を与えてください。
仕事が何もない状況ですと、モチベーションも低下しやすいです。
また、再就職の説明のときに、役職と給与のことをきちんと説明することも大切。
あいまいなままにしておくと、想像と現実のギャップにがっかりする高齢社員も多くなります。