
シフト勤務が健康に与える影響とは?何に気をつければ元気に働ける?
今は、いたるところで24時間営業したり活動したりしている企業があります。
代表的なのは救急病院などの医療施設ですが、そのほかにもコンビニや工場などでも24時間営業のところも多いでしょう。
そのような場所で働く場合はシフト制を組むことがほとんどです。
しかし、シフト勤務は就業時間が不規則になりやすい分、健康への影響が心配という方も多いでしょう。
そこで、今回はシフト勤務の健康への影響についてご説明します。
通常の勤務と比べてどのような危険性があるのでしょうか?
また、シフト勤務の残業代や休日についてもご紹介します。
これからシフト勤務で働くという方は、ぜひこの記事を読んでみてくださいね。
1.シフト勤務とは、どういう働き方?
シフト勤務とは働く時間を固定せず、24時間の中で8時間働くことです。
24時間を2~3か所で区切ることが多いので、2交代制、3交代制と呼ばれることもあるでしょう。
シフト勤務をする仕事の代表格といえば、看護師や介護士といった医療職です。
入院患者のいる病院では、3交代制勤務をとっています。
また、製鉄所のように装置を止めることができない工場もシフト勤務を敷いているところが多いでしょう。
さらに、コンビニのような24時間営業の店も同じです。
このようなシフト勤務で働く方の中には、特定の時間にだけ勤務する方もいるでしょう。
しかし、大部分が、週単位で働く時間が変わってきます。
2.シフト勤務の深夜残業や法定休日とは?
通常の勤務であれば、深夜に仕事をする場合は深夜手当や残業手当がつきます。
では、シフト勤務の場合はどうなのでしょうか?
法定休日の定義とともにご紹介します。
2-1.シフト勤務の場合、深夜手当や残業代はどうなるの?
通常の勤務体制であれば、22時以降は深夜手当や残業代が発生します。
しかし、シフト勤務の場合は22時以降に勤務することも珍しくありません。
この場合は、通常の勤務時間であれば残業代は発生しないのです。
そのかわり、22時以降の勤務は深夜手当をつけなければなりません。
ですから、コンビニなどでは深夜帯の時給が高くなっています。
ただし、監視業務などで官庁の許可を得ているなど特殊な場合は、深夜手当が免除されている職場もあるのです。
しかし、このようなところはごくわずかでしょう。
シフト勤務で働いている人は、深夜にどのくらい働いたかによって給料の額が大きく変わってきやすいのです。
2-2.シフト勤務の法定休日とは?
法律で定められた休日というのは、24時間でなくてはなりません。
ですから、夜間から朝まで働いた人を、夜まで休ませた場合は休日を与えたことにはならないのです。
また、昼間の14時~15時に勤務が上がった人を、翌朝から働かせた場合も同様でしょう。
しかし、シフト勤務の場合は働く時間が変わったときはどうしても、24時間休めないときもあります。
このような場合は、月間の勤務時間で調整しましょう。
また、仕事が忙しい場合は夜勤に引き続き日勤、といった勤務をしなくてはならないケースもあります。
この場合は、残業代を支払わなくてはなりません。
ただし、人が働き続けられる時間には限度があります。
このような長時間の勤務が続く場合は、新たに人を雇うなど働き方を会社が見直す必要があるのです。
3.シフト勤務は寿命を縮める?
シフト勤務は、働く時間が決まっていません。
日勤と夜勤を交互に繰り返す場合もありますし、週単位で勤務時間も変わるでしょう。
シフトに働く人の希望が反映できる場合は、自分の働きたい時間に働けるというメリットがあります。
しかし、その反面どうしても健康に影響が出やすいでしょう。
最も影響が出やすいのは、睡眠時間です。
人間は基本的に昼間活動して夜に眠ります。ですから、夜間に動きっぱなしというのは体に負担がかかりがちな行為なのです。「昼間に部屋を真っ暗にして寝ればよいのでは?」という意見もあるでしょう。
しかし、人間の脳は朝日を浴びると体内時計がリセットされてしまいます。
ですから、日中は疲れていても眠りにくくなっているのです。
そのため、シフト勤務の方は昼間や夜間の決まった時間に働く人よりも、体調に気を配る必要があります。
4.シフト勤務をする人の健康管理の方法とは?
では、シフト勤務をする人は、どのように健康管理をすればよいのでしょうか?
この項では、その一例をご紹介します。
4-1.睡眠時間をしっかりと確保する
勤務時間が不規則の場合、何よりも大切なのは睡眠時間の確保です。
朝に仕事が終わると、つい昼間でダラダラと過ごしてしまう方もいるでしょう。
しかし、これでは睡眠不足になってしまいます。
昼間は寝付けないという場合は、入眠のための手順を決めておきましょう。
たとえば、食事、休息、入浴、ベッドヘという手順を決めておけば、体もそれ順応しやすいです。
また、スマホやパソコンの画面から出るブルーライトは脳を覚醒させる効果があるので、寝床の中で見るのはやめましょう。
さらに、寝室のカーテンを遮光タイプにすれば、よく眠れます。
騒音が気になるという場合は耳栓を使いましょう。
4-2.健康診断の結果に気を配る
衛生管理者がいる職場の場合は、社員の健康診断の結果に気を配りましょう。
睡眠時間が不規則の場合は、体に不調が出やすいのです。
昨年に比べて健康状態が極端に悪化したという場合は、医療機関を受診するように勧めてください。
また、健康状態が悪化した社員が多い場合は勤務体系に問題がある可能性があります。
すぐに経営者の現状を伝えて対策を話し合いましょう。
4-3.産業医との面談を設定する
不規則な勤務の場合は、体が適応できないと精神にも影響が出ます。
特に、シフト勤務に慣れていない人の場合は、抑うつ状態になることもあるでしょう。
ですから、気分がすぐれなかったり何事にもやる気が出なかったりすると社員から相談された場合は、産業医との面談の機会を設けましょう。
産業医が精神科医でない場合も、専門の医療機関への紹介状は書いてくれます。
精神の状態が悪化した場合は、早めに治療するほど回復しやすいでしょう。
また、「部下が最近仕事のミスが多い」などの相談を受けた場合も、面談の機会を設けてあげてください。
場合によっては、勤務時間を固定するなど対処が必要になります。
5.おわりに
いかがでしたか?
今回はシフト勤務が健康に与える影響についてご紹介しました。
まとめると
- シフト勤務とは、働く時間を決めずに24時間体制で勤務することである。
- 勤務時間が8時間以内の場合は残業手当がつかないが、22時以降は深夜手当がつく。
- 休日は24時間が目安である。
- 睡眠時間をしっかり確保することが、健康に働くコツである。
ということです。
20年ほど前までは、シフト勤務を行う職場は病院や鉄工所など限られた場所でした。
しかし、今ではIT関連の企業や食品工場など、シフト制勤務を敷く企業は多いです。
その分、シフト制で働く人も増えています。シフト制は慣れてしまえば働きやすいという人もいるでしょう。
しかし、慣れるまでは体調を崩しがちだったり不眠になりやすかったりします。
ですから、努めて睡眠時間を確保するなどしてください。
勤務後に飲みに行ったり遊びに行ったりすると、体調を崩しがちになります。