骨折したときの応急処置とは?骨折の種類や注意点などの基礎知識

77c5aec3-6d36-454b-81e7-efe7eb183bc4危険な現場・作業場では常にケガと付き合っていかなければなりません。
いざというとき、従業員が骨折したら素早い対処が必要になります。
そこで、骨折したときの応急処置や骨折の種類、処置する際の注意点・間違った対処法について説明しましょう。
「ケガをしなければ大丈夫」と思ってはいけません。
“もしも”のために衛生管理者として必要な基礎知識を身につけることが大切です。
従業員の安全を守るためにも知識は必要になります。

  1. 骨折の種類
  2. 骨折時の応急処置
  3. 処置する際の注意点と間違った対処法
  4. まとめ

1.骨折の種類

骨にひびが入る、折れることを「骨折」と言います。
骨だけでなく、周辺組織にまで悪影響をおよぼすでしょう。
骨折にもさまざまな種類があるので確認していきたいと思います。
種類によって正しい対処法も変わってくるでしょう。

1‐1.骨がつぶれる「圧迫骨折」と粉々になる「粉砕骨折」

骨折にはさまざまな種類があることご存じでしょうか。
ニュースでよく聞く「圧迫骨折」は、骨がつぶれた状態になる骨折です。
若者よりも高齢者に多いのが特徴になります。
そして、骨がばらばらになった状態が「粉砕骨折」です。
大きな力によって外傷や骨粗しょう症で弱くなった骨に多い骨折の種類になります。
骨折したとき病院に行くと、ほとんど最初に“レントゲン撮影”をするでしょう。
レントゲン撮影によって骨が粉々に砕けていた場合は粉砕骨折と判断します。
骨がつぶれているか、それとも粉々になっているかで種類が異なるのです。
また、完全に折れていない状態でも亀裂がある、曲がっている場合は「若木骨折」になります。
そして、特定の骨に力が入ることで起きる「疲労骨折」など種類はさまざまです。

1‐2.小さな骨片が結合部位からはがれている「剥離(はくり)骨折」

あまり聞かない言葉になりますが、「剥離(はくり)骨折」という種類があります。
剥離(はくり)骨折とは、靭帯(じんたい)や腱(けん)など結合部分から骨片が小さくはがれている状態です。
つまり、筋肉が骨を引っ張ることで起こる骨折と思ってください。
主に、手や足、足首、膝、肩に起こりやすい骨折になるでしょう。
筋肉の影響によって骨折するほど、骨が弱くなっているのが原因です。
運動やカルシウム不足になっている人は注意しなければなりません。
剥離(はくり)骨折を避けるためには、骨を強くする必要があるでしょう。
骨が弱くなると言えば、「骨粗しょう症性骨折」も骨のもろさが原因で起こる骨折です。
高齢者に多く、手首や股関節、脊髄(せきずい)、骨盤に起こるでしょう。

1‐3.骨折部位がそとに出てしまう「開放骨折」

骨折の種類によってはただちに手術をしなければならない、危険な状態の種類もあります。
たとえば、「開放骨折」と言う種類です。
開放骨折の特徴は、皮膚などの軟部組織がやぶれてしまい骨折部がそとに出る点になります。
つまり、骨の部分が自分の目で確認できるほど露出しているのです。
傷口をすぐにふさがなければ菌が入ってしまい感染する危険性があります。手術をすぐにして慎重に傷口を清潔にしなければならないでしょう。
迅速な行動と処置が大切な状態だと覚えておいてください。
逆に、骨折部位の皮膚がやぶれていない状態のことを「皮下骨折」と言います。
関節内で骨折する「関節骨折」も、スピーディーな処置が必要です。関節骨折を放置すれば、変形性関節症と言う病気に発展してしまいます。

2.骨折時の応急処置

2‐1.冷やして安静の状態にする

骨折した経験のある人はわかりますが、骨折時強い痛みに襲われるものです。
時に、痛みが辛抱できないほど苦しむことになるでしょう。
激しい痛みを緩和するためすぐに冷やしてください。
ただし、直接冷たいものを皮膚に当ててはいけません。
氷を袋にいれる、保冷剤をタオルで包んでから冷やすなど工夫が必要です。
骨折の種類によって適切な応急処置は異なります。
皮膚から骨が飛び出している場合は何もさわらずにすぐ病院へ行ってください。むやみにさわれば細菌が入って悪化します。
すぐに冷やすとき、できるだけ安静にすると良いでしょう。
できるだけ腫れを抑えるため、骨折している部分を心臓より高くあげてください。
足を骨折した場合は横になって心臓よりも高い位置で安静にしておきましょう。

2‐2.添え木や三角巾で固定・支える

よく、テレビでも骨折をすると添え木を使って固定するシーンを見かけます。
骨折部分を固定することは、安静を保つ最適の応急処置です。
骨折部分が不安定な状態になっていると安静にできません。
近くに添え木となるものがあればすぐ固定してください。
固定するときはきつくしばりつけないように注意することがポイントです。強くしばっては血液の流れが悪くなります。
添え木がなければ包帯や布でも固定できるので安心してください。
また、肩・肘・腕を骨折した場合は「三角巾」を利用して骨折部位を支えましょう。三角巾は大きい布なら何でも役立ちます。
スカーフやタオルなど適当な大きさの布で腕をつってください。
一通り応急処置をした後はすぐ病院に行きましょう。
開放骨折、高い場所からの落下で骨折した場合は命までかかわります。
状態をしっかり確認しながら適切な判断をしなければなりません。

3.処置する際の注意点と間違った対処法

3‐1.脊髄(せきずい)を骨折したときは絶対に動かさない

骨折の状況を確認しようと無理に動かすケースがあります。
しかし、骨折の状況によっては動かす行為自体が悪化する原因になるので注意しなければなりません。
特に、脊髄(せきずい)・背骨の部分を骨折した場合は絶対に動かさないでください。
できればケガ人を動かさないように戸板のような「副木(そえぎ)」を利用して背骨を固定するのが最適な処置です。
4人~6人ほどの力を借りて背骨部分に戸板を当てていきましょう。
当てるときもできるだけ動かさないよう、慎重にすることが大切です。
結構硬いものを副木にする場合は板と体の間にタオルをしくとクッションの役割になります。
基本的に晴れている、痛みがある部分は動かさないことです。

3‐2.骨折したらすぐに病院が基本

骨折しているかどうかわからない…と悩むときでも病院は受診したほうが安心です。
骨折の疑いがあればすぐ病院へ行きましょう。
「放置しておけば治る」と言う考えは捨ててください。
骨折を放置すればするほど症状は悪化します。骨が変な方向に曲がる、骨同士がくっつくなど手遅れになってしまうでしょう。
骨折したらすぐに適切な応急処置をして病院に行くのが基本です。
指や腕を引っ張る、伸ばすようなことはしないでくださいね。

4.まとめ

骨折の種類や骨折時の応急処置、処置する際の注意点と間違った対処法について説明しましたが、いかがでしたでしょうか。
働いている従業員が骨折をした場合、症状や状態を見て適切な処置をしなければなりません。
骨が皮下から出ていない場合は冷やして心臓よりも高い位置でキープしておきましょう。
そして、添え木や三角巾などで固定し安静状態にしてください。
もし、開放骨折や高所からの落下によって骨折した場合はすぐ病院で手当てをしなければなりません。
骨折の種類によっては急を要するケースもあるので十分に気をつけてください。
適切な処置ができるよう知識をきちんと身につけておくことが大切ですよ。
衛生管理者を目指している人は特に、従業員の健康を守る必要不可欠な知識になります。