衛生管理者の資格を取得したい! 衛生管理者試験の勉強のコツは?

社会人としてスキルアップするために、何か資格を取得したいと考えている人は多いことでしょう。世の中に資格はたくさんありますが、どのような職場でも一定の規模があれば必要とされる資格に、衛生管理者があります。現在、取得を目指して勉強に励んでいる人もいるでしょう。その一方で、「衛生管理者試験に挑戦したいが、勉強方法などが分からず悩んでいる」という人もいると思います。

そこで今回は、衛生管理者試験の勉強のコツなどを紹介しましょう。

  1. 衛生管理者とはどのような資格?
  2. 衛生管理者の資格を取得するには?
  3. 衛生管理者の資格を取得するメリット
  4. 衛生管理者の給与はどのくらい?
  5. 衛生管理者の受験対策
  6. 計画を立てて受験しよう!
  7. 衛生管理者資格に関するよくある質問

この記事を読めば、自分に合った勉強方法の選び方などもよく分かります。衛生管理者試験に興味がある人は、ぜひ読んでみてくださいね。

1.衛生管理者とはどのような資格?

まず始めに、衛生管理者とはどのような資格なのかということを、ご紹介します。
「食品衛生管理者」などよく似た名前の資格もありますが、職務内容は全く違うので混同しないように気をつけましょう。

1-1.衛生管理者とは

衛生管理者とは、労働者が安全で衛生的に仕事ができるように職場環境や労働条件を整えたり、疾病を予防したりする国家資格です。
労働者の安全は「労働安全衛生法」という法律によって保証され、雇用者はこの法律を守ることで労働者が安全で衛生的に働けるように職場環境を整えます。
しかし、職場環境を整えたり疾病を予防するには、こまめに職場の環境をチェックしたり従業員の健康状態を把握しておかなければなりません。
かつて、日本の職場の衛生状態や安全性は決してよいといえませんでした。
体に有害な物質を扱う職場も多く、仕事をしているうちに病気になったり事故が多発したりする職場も珍しくなかったのです。
そのため、危険度の高い職場から1960年代より、衛生管理を専門に行う有資格者が専任されるようになりました。
現在の「衛生管理者」という資格が設けられたのは、1989年のことです。
ほかの労働関係の資格と比べると、新しい部類といえるでしょう。
その後、安全衛生法が改訂されるにつれ、衛生管理者の職務や資格取得の条件などが少しずつ変わりながら、現代へといたっています。

1-2.衛生管理者の職務とは?

前述したように、衛生管理者は労働者が安全に衛生的に職務を行えるように、職場や労働環境を整えることです。
「自分の職場は特に人体に有害な物質は使っていないので、衛生管理など必要ないのでは?」と思う方もいるかもしれません。
しかし、たとえ有害物質を扱っていない職場でも、衛生管理は必要です。
たとえば、喫煙者と非喫煙者が同じ職場で働いており自由に喫煙できるところでは、副流煙による健康被害が起こるかもしれません。
また、長時間の残業が続いた場合も健康に悪影響が出るでしょう。
つまり、どんな職場でも職場環境や仕事の内容が健康に悪影響を与える可能性があり、衛生管理者はそれを改善したり予防したりします。
職務の一例をあげると、職場巡視と健康診断の実施と結果の管理です。
従業員を1人でも雇っている職場は、従業員に健康診断を受けさせる義務があります。
これの日程を調整したり、結果を管理して職場の環境が悪化していないかどうかチェックしたりするのは、衛生管理者の大切な職務です。
また、1週間に1度は職場巡視を行い、職場の環境を確認したり従業員の話を聞いたりする職務も重要になります。
必要とあれば、従業員と産業医の面談の場を設けましょう。
また、安全管理者と協力して、従業員に安全衛生教育をすることもあります。

1-3.衛生管理者の選任義務とは?

衛生管理者は、ありとあらゆる職場で50人以上の従業員がいる場合は、1人以上の選任が必要です。
衛生管理者は1種と2種がありますが、1種はすべての職場で衛生管理者としての職務を行えます。
2種は、金融や情報通信、小売業など職場の環境が健康に悪影響を与えにくい職場でだけ、職務を行えるのです。
そのほか、医師や歯科医師、労働コンサルタントなども衛生管理者として選任できますが、これらの有資格者が衛生管理者に選任されているところはごくわずかでしょう。
また、この「従業員50人以上」というのは、雇用形態は関係ありません。正社員が1人で、パートが49人でも専任が必要です。
さらに、常時職場に従業員がいるかいないかも、関係ありません。
たとえば、派遣業などは従業員のほとんどがどこかの企業に派遣されており、職場に残っているのは数人だけというのが当たり前です。
それでも、50人以上の従業員がその職場に所属していることになっていれば、衛生管理者の選任が必要になります。
ちなみに、従業員が200人以上いる場合は2人、500人以上の場合は3人の衛生管理者の選任が必要です。
つまり、大企業ほど衛生管理者の需要は高いといえるでしょう。

2.衛生管理者の資格を取得するには?

この項では、衛生管理者の資格を取得するまでの流れをご紹介していきます。
衛生管理者の試験は、ほかの国家試験よりも合格しやすいといわれていますが、その理由は何でしょうか?

2-1.衛生管理者の受験資格とは?

衛生管理者は誰でも受験できるわけではありません。最低でも1年以上の実務経験が必要です。
実務経験の期間は、学歴によって変わります。また、薬剤師や保健師など一定の資格には、合格すれば無条件で衛生管理者の資格がついていることもあるのです。
ですから、衛生管理者になりたい場合は、衛生管理にかかわる業務にまずは就くことが大切。
職場の理解を得てください。
また、衛生管理の仕事をしていると職場から資格取得を勧められることもあるでしょう。
衛生管理の仕事さえしていれば、勤務形態は関係ありません。
アルバイトでも派遣でも大丈夫です。
また、実務経験があれば退職してからでも受験資格はありますが、衛生管理の仕事に就いていたという職場の証明書が必要になりますので、できれば在職中に取っておきましょう。

2-2.試験の申込期間はどのくらい?

衛生管理者は、国家資格の中で最も試験日が多く設定されています。
都道府県によっては、月1~3回くらい開催されているのです。
つまり、その気になれば年に12回試験を受けられるでしょう。
といっても、年に1回しか試験が行われない県もあるので、「安全衛生技術試験協会」のホームページで確認しておいてください。
申込期間は、試験日の2か月前~14日前までです。
そして、人気のある会場や日程は早々に埋まってしまいます。
試験日が多く設定されていますので、会場が満員になってしまえば「ほかの会場で受験してください」といわれてしまいますので、気をつけましょう。
人気のある日程や会場で受験をしたいという場合は、申込期間が解禁になったらすぐに申し込んだ方が確実です。

2-3.試験を受けるまでの流れ

衛生管理者の試験を受験したいと思ったら、まずは職場で衛生管理者の仕事に就いていたという「事業者証明書」を取得しましょう。
また、最終学歴の卒業証書も必要です。
紛失してしまったら、母校に再発行を願い出てください。
有料で発行してもらえます。
この2通の書類を、「安全技術センター」で配布されている受験申込用紙に添えて申し込むのです。
安全技術センターは各地方にひとつずつありますので、直接取りに行くか郵送をしてもらいましょう。
ちなみに、安全技術センターが試験会場になることも多いのです。受験料は6800円になります。
これは、第1種でも第2種でも同じです。
毎月試験が行われていますので、試験日の書き間違えが起こりやすくなっています。
必ず自分の受けたい試験日を確認して、間違えずに申し込んでください。
また、試験場所が遠い場合は宿泊場所も確保しておきましょう。
各都道府県では、年に1度出張試験が行われますが毎年多くの方が受験されます。
申し込みは早めに行いましょう。

2-4.試験内容や合格率はどのくらい?

衛生管理者の試験科目は関係法令、労働衛生、労働生理の3科目です。
なお、特定の条件を満たしていると、労働生理の科目が免除になります。受験科目ごとの時間区分はなく、3時間で3教科すべてを回答するようになっているのです。
合格基準は、各科目が40%以上の得点で、総合得点が60%以上になります。
1科目でも40%の得点率を下回ると、合格できませんので注意しましょう。
合格率は、第1種が56%、第2種が70%と国家資格の中でもかなり高くなっています。
しかし、これは試験回数の多さと密接な関係があるのです。
1年に何回も資格を受けられれば、合格するチャンスはそれだけ高くなるでしょう。
ですから、決して試験が簡単というわけではありません。
何か質問があれば、全国に7つある安全管理技術センターに問い合わせてみてください。

3.衛生管理者の資格を取得するメリット

衛生管理者は、どんな職場でも50名以上の従業員を雇っている場所では、選任が必要です。
ですから、規模の大きな職場ほど需要は高いでしょう。無資格でも、衛生管理にかかわる仕事に就くことはできますが、責任者のような立場にはなれません。
そのため、キャリアアップのほか、転職にも有利です。
また、資格手当がつく職場もあるでしょう。第2種よりも第1種の方が働ける職場が多いので、ぜひ第1種を取得してみてください。

4.衛生管理者の給与はどのくらい?

衛生管理者は、ほとんどの場合企業の総務課や人事課に属すことになります。
ですから、その会社の給与形態に沿った賃金になるでしょう。
つまり、大企業ほど給与もよい傾向にあります。
また、体に有害な物質を扱う企業は、資格手当のほかに危険手当などもつくことがあるでしょう。
そのため、危険度が高い職場で働いている衛生管理者は、年収が500万円以上になることも珍しくありません。
また、衛生管理者は勉強方法さえ間違えなければ、半年以内に合格できるでしょう。
費用も多く見積もって、十万円前後ですみます。
実用的な資格の中では、期間も費用も最低限で合格できるでしょう。

5.衛生管理者の受験対策

この項では、衛生管理者の受験対策についてご紹介します。
衛生管理者は独学でも合格できる資格ですが、確実に合格したいという方は、そのほかの手段を考える必要もあるでしょう。

5-1.衛生管理者の勉強方法とは?

衛生管理者の勉強方法は大きく分けて3つあります。ひとつは、書店で販売されているテキストを参考に、独学する方法。
もうひとつは、民間業者や自治体で開催している講座に通うこと。
そして3つ目は通信教材を利用することです。衛生管理者の資格の難易度は、「普通」に設定されています。これは、「独学でも十分に合格レベルに達することはできるが、一夜漬けなど付け焼き刃の勉強では合格できない」ということです。
時間と資金に余裕があるならば、独学しながら何度も試験を受けて合格することも可能でしょう。
特に、大阪や東京など都市部に住んでいる方ならば、その気になれば1年で12回試験を受けることも可能です。
一度で絶対に合格したいという場合や、前回の試験に不合格だったという場合は講座や通信教材がお勧め。
アドバイスや模擬試験が受けられます。

5-2.学習方法や合格のコツとは?

衛生管理者の試験を受験しようと思っている方は、職場で衛生管理の仕事に就いていた方ばかりです。
ですから、テキストを読んでも何が書いているか分からない、ということはないでしょう。
しかし、理解できないことも少なくないはずです。
いくら実務経験があるとはいえ、法律の内容まで覚えている方はいないでしょう。衛生管理者の資格試験の勉強とは、実務がどの法律と結びついているか確認したり、足りない知識を補ったりすることでもあるのです。
ですから、「実務経験があるから、ヤマカンで大丈夫」と思っていると、確実に不合格になります。
また、衛生管理者の受験者のほとんどが、仕事をしながら試験勉強をすることになるでしょう。
学生時代のように、1日の大半を勉強時間に充てるわけにはいきません。
そこで、隙間時間を有効活用しましょう。
隙間時間とは、通勤や昼休みなど、ほかのことに集中しなくてもよい時間帯のこと。
10分もあれば参考書の1~2ページくらいは読めます。また、過去問題をくりかえすことも大切です。
衛生管理者の試験には、過去に出された問題が、数値を変えて出されることが多いでしょう。
ですから、過去問をくりかえし解いておけば、より合格しやすくなります。

5-3.お勧めの参考書とは?

「衛生管理者集中レッスン」「7日間完成、衛生管理者合格塾」「要点丸暗記!!衛生管理者合格テキスト」このあたりの参考書が、お勧めとしてあげられることが多いです。
これらのテキストを使って合格した、という体験記もインターネットを検索すればたくさんヒットするでしょう。
Amazonの人気ランキングでもこの3作が上位を占めています。
ですから、独学で勉強する場合は、この3作を読み比べて自分に合ったものを選ぶとよいでしょう。
参考書に比べて、過去問題集を1冊購入すればより完璧です。
ただし、このような参考書は、法律の改定にとっさに対応できないこともあります。
ですから、独学で勉強される方は、法律が改訂されて試験範囲や内容が変わった場合に備えて、必ず最新の参考書を求めましょう。
古本屋などでもこのようなテキストは販売されていますが、情報が古すぎては使い物になりません。

6.計画を立てて受験しよう!

では、最後に衛生管理者の試験に合格するまでの計画の立て方をご紹介します。
ぜひ参考にしてください。

6-1.まずは試験日を決めよう

衛生管理者は、前述したように毎月受験日があります。ですから、仕事に合わせてある程度日程調整ができるでしょう。
勉強を始めて2~3か月目が受験の目安と考えれば大丈夫です。
ですから、勉強期間を含めて3~4か月先の受験日を目標にしてください。
ただし、出張試験しか行われない県に住んでいる場合は、年1回しかチャンスはありません。それに合わせて勉強しましょう。

6-2.受験の申し込みは早めに行おう

前述したように、毎月行われる分衛生管理者の試験は人の増減が激しい試験です。
平日の昼間はガラガラでも、休日では試験会場によっては先着順ということも珍しくありません。
ですから、人気の試験会場で試験を受けたいという場合は、早めに申し込みを行いましょう。
出張試験も同様です。土地勘のない場所で試験を受けるという場合は、試験会場の下見なども行ってください。
特に、分かりにくい会場の場合は要注意です。

6-3.試験前日はリラックスしよう

試験前日は、緊張して眠れないという方もいるかもしれません。しかし、それでは本番で実力を発揮できないでしょう。
試験前日は復習は程々に、早く休んでください。
ホテルを取っている方は、眠りにくい場合もあります。
その場合は、お気に入りの音楽などをかけるとよいでしょう。
眠れないからといつまでも起きていると、当日実力を発揮できません。

6-4.試験当日の注意点

衛生管理者の試験は、どの科目からやってもかまいません。ですから、できるだけ得意なものから始めましょう。
100点を取らなくてもかまいません。40点を下回らなければよいのです。ですから、絶対に分かる問題から解きはじめてください。
マークシートで塗りつぶしたところは、問題の番号に丸をつけておきましょう。
これで、答え合わせができます。

6-5.合格したら?

合格したら、所定の手続きに従って免許を取得しましょう。合格通知が来たらほうりっぱなしではいけません。
合格通知だけでは、免許交付ではありませんので注意しましょう。

7.衛生管理者資格に関するよくある質問

Q 衛生管理者の食品衛生管理者は違うの?

A 食品衛生管理者とは、食品を製造する工場で品質管理や食中毒が起こらないように製造過程を監視する職務を行える資格です。
衛生管理者とは全く違う仕事なので、混同しないように気をつけましょう。

Q 衛生管理者の勉強方法は独学?通信教材?どっちがお勧め?

A 独学は、自分のペースで安価に勉強できる反面、モチベーションが低下しやすく、分からないことがあっても解決が難しいのです。
通信教育は分からないところを質問できますし、模擬試験なども行ってくれます。
ただし、初期費用が独学に比べると数倍高いのが難点です。

Q 衛生管理の仕事は男女関係なく行えますか?

A衛生管理者の仕事は、女性でも無理なく行えるのです。ですから、女性にもお勧めの仕事といえるでしょう。
活躍している女性もたくさんいます。

まとめ

いかがでしたか? 今回は、衛生管理者の仕事内容や試験に合格するヒントなどをご紹介しました。
これを読んで衛生管理者の試験を受けたくなったという方は、まず、「いつ、どこで」試験が行われるのか把握してください。
そうすれば、勉強の計画も立てやすくなります。
衛生管理者は試験回数が多いので、「次にがんばればいいや」とも思いがちになるでしょう。
しかし、そこをぐっとがんばってぜひ一発合格を目指しましょう。