衛生管理者セミナーのメリットは? 独学が不安な人のおすすめ勉強法

衛生管理者の資格取得を目指すセミナーについてご存じでしょうか? 初めて試験を受ける人の中には「何から勉強したらよいのか?」「合格できる自信がない」という人も多いと思います。衛生管理者は幅広い分野で活躍できる資格ですが、試験の合格率は高めです。勉強しだいでは短期間でも合格できる可能性は十分にあるでしょう。そこで、「独学では不安」という人のために開催されるのがセミナーです。合格のための勉強法やポイントを教えてくれる講習会であり、模擬試験にも挑戦できるため自分の実力を知ることができます。

この記事では、衛生管理者セミナーへの参加方法やメリットなどをまとめてご紹介しましょう。

  1. 衛生管理者とは?
  2. 衛生管理者のセミナーについて
  3. 衛生管理者セミナーの内容とメリット
  4. 衛生管理者セミナーへの参加方法
  5. セミナーなしで合格する勉強方法は?
  6. 衛生管理者のセミナーに関するよくある質問

衛生管理者セミナーへの参加を迷っている人は、ぜひ参考にしてみてください。セミナーに参加せず、独学で合格できる勉強法についてもご紹介します。

1.衛生管理者とは?

まずは、衛生管理者という資格について解説します。

1-1.どんな資格なのか?

衛生管理者とは、職場における労働者の健康管理と快適な環境作りを立案・実施するための国家資格です。具体的には、健康診断の実施や職場環境の調査、労働者への教育などが主な仕事になります。労働者の安全や健康を阻害する恐れがある場合は、必要な処置を考えることも必要です。労働安全衛生法では、常時50人以上の労働者を使用する事業場では、衛生管理者の設置が義務づけられています。

1-2.資格を取得するメリット

この資格を取得することで、資格手当がもらえる職場も多くなっています。資格取得を昇進への必要条件としている企業もあるでしょう。現在の職場でスキルアップを目指すなら、取得しておくべき資格の一つです。また、この資格はどの職種でも求められているため、転職にも有利になります。一般的に難易度が高いと言われているこの資格を持っていることで、高い評価を受けることができるでしょう。

1-3.衛生管理者の種類と試験について

衛生管理者は第一種と第ニ種に分けられます。その違いと試験についてご紹介しましょう。

1-3-1.第一種衛生管理者

従業員が50人以上いる事業場では、衛生管理者を設置しなければなりません。第一種衛生管理者は、すべての事業場で有効となる資格です。建設業や電気業、ガス業、医療業など、危険もしくは有害な業務と言われる業種にも携わることができます。資格試験は安全衛生技術センターが開催しており、大卒で1年以上、高卒で3年以上というように、学歴ごとに異なる実務経験が必要です。合格率は5割以上と高めですが、試験の難易度は低くありません。暗記中心の勉強が必要になるため、効率のよい方法ですすめていく必要があるでしょう。

1-3-2.第ニ種衛生管理者

第一種との大きな違いは、携わることができる業種にあります。第ニ種衛生管理者は、情報通信業や金融・保険業など、有害な業務とは関係のうすい業種にだけ携わることが可能です。そのため、有害業務に関する試験問題は出題されません。受験に必要な実務経験は第一種と同じですが、合格率は当然、第ニ種の方が高いです。また、第一種の資格を持っていれば第ニ種の資格も持っているのと同じ扱いになります。

2.衛生管理者のセミナーについて

独学で勉強することに不安がある人は、受験準備セミナーに参加することをおすすめします。

2-1.受験準備セミナーとは?

予備校や専門学校、公益社団法人などが主催している講習会のことです。第一種衛生管理者と第ニ種衛生管理者、それぞれの試験対策講座を開催しています。目的はもちろん、衛生管理者の資格試験に合格することです。法令についての勉強や試験に出るポイントなどを学ぶことができます。そのため「どうやって勉強したらよいのかわからない」という人におすすめです。最後に模擬試験を行うことも多いため、自分の実力を知ることができるでしょう。もちろん、セミナーを受講したからと言って必ず試験に合格できるわけではありません。セミナーで学んだことをどのように生かして勉強するかが、大きなポイントになるでしょう。

2-2.受講資格

衛生管理者の受験準備セミナーに受講資格はありません。インターネットで検索すればさまざまな団体が開催しているセミナーを見つけることができるため、チェックしてみてください。通い続けることを考えて、できるだけ家から近いところを選んだ方がよいでしょう。

3.衛生管理者セミナーの内容とメリット

衛生管理者セミナーにはどのようなメリットがあるのでしょうか。講習内容や模擬試験についてもご紹介します。

3-1.セミナーのメリットとデメリット

セミナーを受講するべきか迷っている人のために、参加するメリットとデメリットをまとめてみました。メリットとしては、重要なポイントにしぼって勉強ができるという点があります。特に第一種衛生管理者は覚えることがたくさんあるため、やみくもに勉強をしてしまいがちです。セミナーでは過去問題が研究されているため、次の試験に出やすい問題を教えてくれます。豊富なデータによって試験問題の予想をつけているのです。試験までの期間が短い人、忙しくて勉強の時間を作ることができない人にとって、大きなメリットになるのではないでしょうか。デメリットとしては、自分のペースで勉強ができないこと、受講費がかかることなどが挙げられます。

3-2.講習の内容

講習では主に法令の勉強が行われます。実務経験があっても法令についてはよく把握できていない人が多いため、時間をかけて学ぶことになるでしょう。また、独自のノウハウによって作ったテキストを使用することが多く、過去の出題傾向や勉強の仕方なども教えてもらえます。

3-3.模擬試験について

講習会では模擬試験が行われることも多いため、試験に慣れることができます。いくら時間をかけて勉強しても、試験で生かすことができるかどうかはわからないでしょう。実際に試験の練習をすることで、自分がどこまで理解できているのかを確認することができます。「本番で緊張してしまって本領を発揮できなかった」ということにならないように、模擬試験に挑戦しておくことは大切です。

4.衛生管理者セミナーへの参加方法

衛生管理者セミナーの受講を希望する場合は、インターネットなどで検索して講習会を見つけることから始めましょう。講習会は全国各地で行われているため、自宅や会社から近い会場がおすすめです。そのままインターネットから申し込みできる場合がほとんどであるため、手続きを行ってください。受講料は1~2万円程度が相場です。また、会社が講師を招いてくれる場合もあるでしょう。この場合は無料で受講できる可能性もあるため、会社に確認してみることをおすすめします。

5.セミナーなしで合格する勉強方法は?

セミナーに参加しなくても合格を目指すことは十分に可能です。しかし、覚えることがたくさんあるため、独学のポイントをつかむことが何より大切になります。

5-1.独学はポイントをつかんで!

専門用語に慣れるためにも、まずはテキストを読み込んである程度暗記してください。その後は、問題集を使って過去問題を繰り返し解きます。過去数年分の問題を解いているうちに、出題傾向がわかってくるはずです。ただし、暗記が苦手な人がこの方法で勉強を続けていると、途中で挫折してしまう可能性があります。効率が悪く、勉強に時間がかかるようなら、通信講座の利用も検討してみましょう。

6.衛生管理者の資格に関するよくある質問

衛生管理者の資格取得を検討している人が感じるであろう疑問とその回答をまとめてみました。

Q.衛生管理者に向いているのはどのような人材ですか?
A.人事や総務の仕事をしており、社員からの信頼が厚い中堅社員が最適と言えるでしょう。気軽に相談できるような、コミュニケーション能力に長(た)けた人がおすすめです。

Q.衛生管理者の受験者数は年間どのくらいいますか?
A.第一種衛生管理者が約55,000人、第ニ種衛生管理者が約26,000人です。第一種の受験者数の方が多くなっています。

Q.衛生管理者試験の合格基準はどうなっていますか?
A.第一種、第ニ種ともに、各科目で40%以上、かつすべての科目の合計が60%以上で合格となります。

Q.衛生管理者のセミナーはどんな人が参加するべきですか?
A.独学で勉強してもわからないところが多い、今の勉強量で合格できるか不安、という人はセミナーへの参加をおすすめします。

Q.セミナーを受講すれば資格試験に合格できますか?
A.受講したからと言って合格できるわけではありません。セミナーに参加した上で、通信教育を利用するなどして自分でも勉強を続けることで、合格に近づくことができるでしょう。

まとめ

衛生管理者の資格を持っていると、さまざまなメリットがあります。しかし、試験に合格するためには自分に合った勉強方法を実践する必要があるのです。仕事をしながら試験勉強をするのが難しい人は、セミナーへの参加や通信教育の活用などを積極的に考えてみましょう。自分にとって勉強しやすい方法がきっと見つかるはずです。ぜひこの記事を参考にして、衛生管理者の試験に合格してください。