脳血管障害の分類や症状とは?こんな症状が出たら要注意!!

60b637f6-5efb-4965-a3be-0e031fd2fb27脳血管障害とは脳の血管が切れたり詰まったりして発症する病気の総称です。
脳は、体の機能をつかさどる司令塔。脳の血管が切れたり詰まったりすれば、色々な障害が出るだけでなく、最悪の場合は命にかかわるでしょう。
今回は、脳血管障害の分類や症状をご紹介します。
脳血管障害というと、いきなり頭を押さえてうずくまりそのまま最悪の結果になってしまうというイメージを持っている方もいるでしょう。
しかし、そのようなことになる前に、前兆が起きる病気も少なくないのです。
ぜひこの記事を読んで脳血管障害を予防しましょう。

  1. 脳血管障害とは?
  2. 脳血管障害の分類とは?
  3. 脳血管障害の前兆とは?
  4. 脳血管障害を防ぐ方法とは?
  5. おわりに

1.脳血管障害とは?

脳血管障害とは、脳の血管が切れたり詰まったりする病気の総称です。
代表的なものは、脳の血管が詰まる脳梗塞や、脳の血管が一部切れてしまう脳内出血でしょう。
脳卒中や脳溢血(のういっけつ)などともいわれることがあります。
脳は、私たちの体を動かす司令塔です。
脳の一部に栄養や酸素がいかなくなってしまうと、脳細胞は死んでしまいます。
血管が詰まったり破けたりすることは、脳だけでなく全身の血管で発症する可能性があるのです。
たとえば、体を強くぶつけたりすると内出血が起こることがあります。
これは、皮膚表面の血管は切れたため。
このように、血管が切れても特に、問題のない場所もあるのです。
では、脳内で血管が詰まったり切れたりすると、なぜ重篤な症状が出やすいのでしょうか?
それは、脳細胞の特徴と脳の役割のせいです。
脳は体の色々な機能をつかさどっています。
呼吸や視覚、聴覚といった感覚からものごとを考えたり記憶したりするのも脳の役割です。
そして、脳細胞は一度死滅してしまうとほかの細胞のように新しく生まれ変わりません。
ですから、脳血管障害が起こると重篤な症状になりやすいのです。

2.脳血管障害の分類とは?

この項では、脳血管障害の種類についてご紹介します。脳血管障害は発症すればすぐに命の危険があるものだけではありません。
早く対処すれば、病気を未然に防げるものもあるのです。

2-1.脳の血管が切れる病気

脳の中の血管が切れる病気は、脳内出血とくも膜下出血のふたつがあります。これらをまとめて脳出血ということもあるでしょう。
脳内出血とは脳の中の血管が切れて脳内に血の塊ができます。
くも膜下出血は、脳の表面の血管にできた静脈瘤(じょうみゃくりゅう)というこぶが破裂して、脳の表面に出血する病気です。
脳内出血もくも膜下出血も発症すればあっという間に亡くなってしまうというイメージを持っている方もいるでしょう。
しかし、それは最重度の症状です。
軽い場合はひどい頭痛程度で本人も脳内で出血していると気がつかない場合もあります。
しかし、どのような程度でも病院で適切な治療を受けることが大切です。
この病気が発症すると、ひどい頭痛と共に意識を失ったりすることも珍しくありません。
また、大いびきをかくこともありますので、すぐに救急車を呼びましょう。

2-2.脳の血管が詰まる病気

脳の血管が詰まる病気として、脳塞栓と脳血栓があります。
脳塞栓というのは、首や心臓の付近にできた血の塊(血栓)が、脳の血管の中で詰まってしまう病気です。
脳血栓というのは、脳の血管が動脈硬化を起こして細くなり、ついには詰まってしまう病気になります。
脳の血管が詰まると血液が流れず、ついに血管を突き破ってしまうのです。
また、血液がストップすれば、酸素や栄養が供給できなくなった部分から、脳細胞は死んでいくでしょう。
脳梗塞が起きる部位によって視野がかけたりろれつが回らなくなったり、体がしびれたりします。
呼吸をつかさどる「脳幹」という部位のすぐ近くの血管が詰まると、即死することもあるのです。

2-3.そのほかの病気

今は、脳の内部を診断する技術も進歩して、脳の血管内に静脈瘤などが見つかることもあるのです。
これが破裂すると脳出血の原因になります。
また、脳の血管が一部細くなる頭蓋内動脈狭窄(ずがいないどうみゃくきょうさ)などの病気もあるのです。
これは、放っておけば脳梗塞の原因になることもあるでしょう。
これらの病気が見つかった場合は、医師と相談して治療を進めていく必要があります。

3.脳血管障害の前兆とは?

脳血管障害は、ある日突然発症するというイメージが強いです。
しかし、脳出血や脳梗塞は、前兆が起きる場合もあります。
たとえば、ある日突然ろれつが回らなくなったり、ものが二重に見えたりといったことが起きたら、 脳の血管が詰まったり小さな出血が起こったりしている可能性があるのです。
また、手足の強いしびれや脱力感、言葉が出てこない、といった症状も脳出血や脳梗塞ではよく発生します。
このようなことが起きたからといって、
必ずしも脳梗塞や脳出血であるとは限りません。しかし、念のために診察を受けておきましょう。
脳神経外科を受診して症状を告げればすぐにCTなどの検査をしてくれます。
夜間にこのような症状が起こった場合は、救急車を呼んでもかまいません。
今は、テレビCMなどでも脳血管障害の前兆を紹介するものが製作されています。
「まさか自分が」と思わず、ある程度の年齢になったら用心しましょう。

4.脳血管障害を防ぐ方法とは?

では最後に、脳血管障害を防ぐ方法をご紹介します。
ぜひ参考にしてください。

4-1.高血圧、動脈硬化、高脂血症に注意する

年を取ってくれば、誰でも健康に不具合が出てきます。
特に、動脈硬化や高血圧、高脂血症などは、健康診断で指摘される方も多いでしょう。
血管の老化や血液の健康状態の悪化は、そのまま脳血管障害のリスクアップへとつながります。
ですから、高血圧や高脂血症などと健康診断で指摘されたら、きちんと治療を受けましょう。
血液の状態の悪化や血管の老化は自覚症状がほとんどありません。
ですから、健康診断の結果が指標になります。
そのため、必ず健康診断を受けましょう。

4-2.ストレスをためない

仕事などで心身に過剰な負荷がかかると、脳血管障害のリスクがアップします。
現に、仕事中に脳出血や脳梗塞が起こった場合は、労災として認定されるケースも珍しくありません。
ですから、過剰なストレスを受けないように仕事を調整する必要があるのです。
また、長時間労働はそれだけで大きなストレスがあります。
どうしても仕事が忙しい時期があり、残業が続くという職場は多いでしょう。
しかし、その反面長時間労働が慢性化している職場もあります。
従業員が安全で健康的に仕事ができるように職場環境を整えるのは、衛生管理者の役割です。ですから、
仕事で悩みを抱えていたり心身ともに大変なときは相談をしたりしてみましょう。
場合によっては産業医との面談の上、配置換えなどをしてもらえることもあります。

5.おわりに

いかがでしたか?今回は、脳血管障害の分類や症状などをご紹介しました。
脳血管障害は、がんや心筋梗塞についで日本人の死亡原因の上位です。
ですから、発症すると即命を失ってしまう怖い病気というイメージが強いでしょう。
しかし、脳梗塞や脳出血は、ごく初期の頃に発見されれば、十分に治療が可能です。
また、いきなり倒れて意識を失うような状態でも、治療は早ければ後遺症も最小限に抑えられるでしょう。
ですから、「自分とは無縁な病気」とは思わず、「ある程度年齢を重ねたら誰でも発症のリスクがある」と思っておいてください。
そうすれば、いざというときにすぐ対処できます。また、今は脳ドックといって、脳専門の人間ドックも受けられるのです。
脳梗塞や脳出血に遺伝はありませんが、高血圧や高脂血症の方は一度受けて見られるとよいでしょう。
自分の脳の状態や脳血管障害の予防法が分かります。