オフィスにもタイプがある? レイアウトにおける5つのポイントとは?

近年、画一的なオフィスレイアウトは減り、会社ごとに特色のある形にすることがポピュラーになりつつあります。

画一的なオフィスは特徴がなく失敗しづらいのが特徴ですが、会社によっては必ずしもベストの選択とは限りません。社風や実際に行う仕事などでレイアウトを変えれば、より効率的でストレスのないオフィスにすることができるでしょう。

そこで、今回はオフィスをレイアウトする際におけるポイントについて中心にご紹介していきたいと思います。

  1. オフィスレイアウトの基礎知識
  2. オフィスレイアウトのポイントとは?

1.オフィスレイアウトの基礎知識

最低でもこれだけはやっておけば大きな失敗はしないでしょう。

1-1.ゾーニング

ゾーニングとは平面計画(建築物の形状や部屋の配置などを平面図上で計画すること)に際し、建物の空間が効率的に働くように配置することをいいます。また、上下階にわたって垂直的(バーチカル)に空間を配置することをバーチカルゾーニング。一つの階に対して水平的に行うことをフロアゾーニングといいます。

平たくいえば、使いやすくなるようにスペースの位置取りを大まかに決定するということです。

このゾーニングをしっかりとやっていないとオフィスの使い勝手が大きく悪くなってしまいます。たとえば、客室の位置を建物の奥に設置してしまうと、移動途中でオフィス内が目に入ってしまうことになるでしょう。完全に通路などで遮断されているならまだしも、見えている状態ではセキュリティーが気になりますよね。また、頻繁に行き来する部署や会議スペースを離したり、間にほかのスペースを挟んだりすると面倒です。ですから、作成するスペースの用途や利用する社員たちの動きを考えてゾーニングを行う必要があります。

次は、ゾーニングの具体的な行い方についてです。まずは必要なスペースのリストアップを行いましょう。リストアップをし忘れて、後で困るということがないようにしっかりと吟味してくださいね。一般的な必要スペースには以下のようなものがあります。

  • エントランス
  • 応接間
  • 給湯室
  • 会議室
  • 役員室
  • 執務室
  • ロッカー
  • 書庫、倉庫
  • 休憩室

1-2.動線計画

『動線計画』とは、建物内における人やものの動きを線で表したもの。かつ、その流れが機能的であるように設計することをいいます。

ゾーニングと同じぐらい重要なことで、動線計画をおろそかにしていると場合によっては非常に扱いにくいオフィスとなってしまうでしょう。たとえば頻繁に大きな荷物が届くオフィスでものが運び込まれる経路と社員が行き来する経路を同じにすると、渋滞が起きてしまいます。もしも割れ物の場合、事故で割れてしまう可能性も高まるでしょう。また、渋滞が起きないことを重視して通路を多く作ってしまうと複雑化してしまい、移動の際に機能性が落ちてしまいます。

動線計画においては、通路はなるべく単純化し、かつ機能的であるようにしなくてはいけないのです。とはいえ、自分勝手に通路を構築するわけにも行きません。災害時に利用する避難経路の必要性や法的な通路幅の規定などがあるからです。ご自身のオフィスで今後起きる状況を頭の中で思い浮かべ、問題はないかどうかしっかりとトレースしておきましょう。

動線計画におけるポイントは以下となります。

  • 通路はなるべく単純化する
  •  回廊のように行き止まりをなくす(袋小路をなくす)
  • 人が多く通る通路は広めに
  • 無用な通路はないかを確認する

2.オフィスをより良くするレイアウトのポイントとは?

オフィスの環境が悪いと労働意欲の低下にもつながりかねません。オフィスは快適になるようにすることが大切です。この項目ではオフィスをより良くするためのポイントについてご紹介します。

2-1.パーソナルスペースの広さを考えよう

パーソナルスペース……つまり、1人の社員に与えられるスペースの大きさをどの程度の大きさにするかが真っ先に挙がる重要なポイント。パーソナルスペースを適切な広さにすることは社員のストレスなどを軽減し、仕事の意欲を挙げる上で非常に重要です。

人というのは近くに他人がいるだけでストレスを感じてしまいます。ですから、できれば広くしてあげるのが1番ですが、日本の狭い土地ではそれもなかなか難しいでしょう。広すぎず狭すぎない、適切な広さを提供してあげる必要があるのです。

社会法人ニューオフィス推進協議会規定によれば、社員1人あたりの執務スペースの最低限度は平方メートル程度が一般的であるといわれています。とはいえ、あくまでこの数字は基準となるものですので、必ずしも守る必要性はありません。社風なども考慮に入れて適切に変えてみましょう。

2-2.オフィスのタイプを統一しよう

オフィスには大きく分けてコミュニケーションタイプのオフィスとコンセントレーションタイプのオフィスがあります。

コミュニケーションタイプのオフィスとは、社員同士がなるべくコミュニケーション取りやすいようにしたオフィスのことです。代表的なものにはアメリカの『グーグル社』が挙げられるでしょう。開放的でパーソナルスペースが明確には区切られておらず、どこで仕事をしてもよいという環境。さらには、リラックスできるように空間に遊び心を取り入れ、さらにはビリヤードなどの娯楽設備も完備されています。

コンセントレーションタイプのオフィスというのは、パーソナルスペースを明確に区切ることで社員の集中力を上げることを目的としたオフィス構成のことです。アニメ制作会社に多いのが特徴で、代表的な会社といえばアメリカの『ピクサー社』でしょう。ピクサーではアニメーターなどのために社内に小さな小屋風の個室を設置するなど、なるべく集中力が高まるようにパーソナルスペースがしっかりと区切られています。しかしながら、ストレスをため込まないような工夫もされており、理想的なコンセントレーションタイプといえるでしょう。

どちらのオフィスタイプもそれぞれの長所と短所があります。

コミュニケーションタイプでは各部署、各社員との連携がスムーズになる一方、雑音が耳に届きやすくなるので集中力は下がるでしょう。

コンセントレーションタイプでは集中力は上がりますが各部署、各社員との連携力は下がります。上司と部下や同僚同士の関係も深まりづらいでしょう。

自身のオフィスに取り入れたい雰囲気や機能をしっかりと把握しておきましょう。

2-3.多目的スペースを作る

オフィスのレイアウトを考える上で重要なのは多目的スペースを作ることです。特に小規模オフィスの場合、多目的スペースを作ることでほかのスペースを違う用途で使うことができるため非常に重要でしょう。

多目的スペースでは会議室としてはもちろん、社員の休憩エリアや応接室として使うようにします。応接室として使っている間にもほかの用途として使いたい場合には、パーティションで小さな部屋を作るとよいでしょう。

2-4.パーティションを活用する

小規模オフィスの場合、役員室・会議室・応接室・作業室・コピー室などを個別に用意するのは難しい場合があります。そのようなときにはパーティションを使うことで対応することができるでしょう。また、社員のパーソナルスペースの仕切りに取り入れることで、社員のストレス軽減と集中力の強化につながります。

パーティションは状況に応じて片付けることもできる有用なツール。積極的に取り入れましょう。

2-5.共有品で省スペースに

最近は社内で個人使用するものを減らし、共有化する動きをしている企業が少なくありません。たとえば、パソコンやデスクの個人所有をなくし、自由なパソコン自由な席で仕事ができるようにする等です。これを行うことと省スペースとなるだけでなく、社員同士のコミュニケーションをより円滑にすることができるでしょう。

ただし、作業により強固な集中を必要とするオフィスでは向いていませんので気をつけましょう。

まとめ

いかがでしたか?

今回はオフィスのレイアウトポイントについてご紹介しました。

  1. オフィスレイアウトの基礎知識
  2. オフィスをより良くするレイアウトのポイントとは?

オフィスのレイアウトは仕事を効率的に行うためはもちろん、社員のストレスを下げるためにも非常に重要な点です。ストレスの多い職場では成果は上がりづらくなりますし、しっかりとポイントを押さえた機能的でストレスのないオフィスを作りましょう!