デスクワークが原因の健康被害とは? 対策方法とともにご紹介します。

パソコンの普及により、仕事中はほとんど座りっぱなしという方も珍しくありません。
また、体を動かすイメージの強い製造業や農業も、仕事内容によっては座りっぱなしです。
しかし、デスクワークをしていると肩や腰が痛くなる人は多いでしょう。
そこで今回は、デスクワークが原因の健康被害とその対策方法をご紹介します。
デスクワークで使うのは、目と脳と指先だけです。
ですから、「疲れっこない」という方もいると思います。
しかし、本当にそうでしょうか?
答えはこの記事を読めば分かりますよ。

目次

  1. デスクワークは年々長時間化している?
  2. 座りっぱなしの悪影響とは?
  3. デスクワークによる健康被害を防止する対策とは?
  4. おわりに

1.デスクワークは年々長時間化している?

パソコンがまだ普及していなかったころ、デスクワークといえども座りっぱなしで1日過ごすことはありませんでした。
たとえば、仕事に必要な道具をすべてつくえの上に置いておけなければ、しまってある場所に取りに行かなくてはなりません。
また、仕事について報告したり相談したりしたいことがあるのならば、上司や同僚のデスクまで行く必要があります。
しかし、今はパソコンが一台あれば仕事がすべてすんでしまうでしょう。
報告や連絡もメールなどですませられます。
ですから、一度腰を下ろしたら、お昼の休憩まで一度も席を立たないという方もいるでしょう。
また、残業になったりすると座る時間はさらに延びていきます。
「自分は1日どのくらい座っているのだろうか?」と気になる方は、オフィスで万歩計をつけてみましょう。
オフィスを出るときに歩数を見れば、どのくらい歩いているか分かります。
歩数が少ないほど座っている時間が長いということ。
また、通勤しているときの歩数と比べてみても面白いでしょう。

2.座りっぱなしの悪影響とは?

この項では、座りっぱなしがもたらす健康被害についてご紹介します。
座るという行為自体は、人間にとって自然の姿勢です。
しかし、長時間同じ姿勢でいるといろいろと悪影響が出るでしょう。

2-1.猫背になる

猫背とは、背骨が丸まって首を前に突き出したような姿勢のことです。
このような姿勢でパソコンに向かっている方は多いのではないでしょうか?
猫背は、一見すると楽な姿勢に思えます。
しかし、首と腰に過剰な負担がかかるので、首から筋肉が続いている肩のこりや腰痛の原因になるでしょう。

2-2.筋肉のこわばりによる血流の低下

長時間同じ姿勢でいると、筋肉がこわばってしまいます。
集中して作業を行っていて、気がつくと何時間もたっていたという経験がある方もいるでしょう。
そのようなときは、動かさなかった部位の筋肉がこわばっているように感じられます。
人は、長時間同じ姿勢をとれるように作られてはいません。
ですから、筋肉がこわばると血流が低下します。
血行が悪くなると、肩こりや首の痛み、さらに頭痛などの原因になるでしょう。

2-3.肥満

1時間座り作業をしているときのカロリーの消費量は、1時間で60キロカロリーほどです。
立仕事をしていると、この2倍。
体力を使う仕事をしていると3倍は消費しますから、いかに座り仕事で消費するカロリーが低いか、お分かりいただけると思います。
しかし、デスクワークをしてもおなかはしっかりとすくでしょう。
ですから、立仕事や体を使う仕事を押している人と同じ量の食事を取る人も多いです。
その結果、肥満になったり血中のコレステロールが増えたりするでしょう。
デスクワークに肥満、特に下半身が肥満になる方が多いのは、そういうわけなのです。

2-4.精神的な影響

デスクワークとは頭はフル回転させているのですが、体はほとんど動かさないという働き方です。
ですから、1日の仕事が終わると精神的にはくたくたなのに、体はほとんど疲れていないということが多いでしょう。
それが夜眠れなかったり、よくうつ状態を引き起こしたりするのです。
どちらかというと、頭では何も考えずに体を動かしている方が、疲れはたまりません。

3.デスクワークによる健康被害を防止する対策とは?

どうですか?ここまでの記事を読んでいただければ、座りっぱなしがいかに健康に悪いかお分かりいただけたかと思います。
では、デスクワークによる健康被害を防ぐにはどうしたらよいのでしょうか?
この項では、対策法の一例をご紹介します。

3-1.定期的に体を動かす

デスクワークの健康被害を防ぐには、定期的に体を動かすのが一番です。
最低でも1時間に1回は歩くと健康被害はかなり防げるでしょう。
しかし、仕事が忙しいときは歩く時間があったら仕事を進めたいと思うはずです。
ですから、いすに腰かけて足を動かしたり肩を回したりしましょう。
職場に衛生管理者がいるのなら、10時と15時の休憩時間に体操などをするとよいですね。

3-2.つくえといすを体に合ったものにする

つくえといすが体に合わないと、必然的に姿勢が悪くなります。
ですから、体とつくえがあっていないと思ったら、いすを調節したりつくえを交換してもらったりしましょう。
そうすれば、姿勢はよくなります。
また、よい姿勢を長く続けるには、やはり定期的に体をほぐしてあげることが大切です。
視力が弱い方はメガネなどをかけましょう。

3-3.残業をなくす

残業時間が長いほど、座り仕事をする時間も長くなっていきます。
ですから、できる限り残業を少なくする工夫をしましょう。
職種によっては、定期的にすごく忙しくなることもあります。
しかし、そのような場合は、一時的なものですから心配はいりません。
その時期が過ぎれば、残業することもあまりなくなるでしょう。
問題は、残業が慢性化しているときです。
月に100時間以上残業をしていれば、かなり問題でしょう。
今は、少ない人数で大量の仕事をこなしている会社は少なくありません。
しかし、デスクワークとはいえ、長時間勤務すれば健康に支障が出ます。
長時間残業が日常化しているのならば、至急に働き方を会社全体で改めましょう。

3-4.気持ちが落ちこんだら休養をする

うつ状態というのは、実はなかなか自覚しにくいのです。
むしろ、よくうつ傾向にある人の方が「もっとがんばらないと」と無理をすることが多いでしょう。
ですから、わけもなく気分が落ちこんだり、涙が出たり普段の習慣を面倒くさいと感じるようになったりしたら要注意。
すぐに休養を取りましょう。
今は、心療内科も街中にたくさんできています。
ですから、気軽に受診してみましょう。
産業医がいるのならば、衛生管理者にお願いして面談する機会を設けてもらってください。

4.おわりに

いかがでしたか?
今回はデスクワークが原因の健康被害についてご紹介しました。
まとめると

  • 長時間座っていると姿勢が悪くなって筋肉がこわばる。
  • 運動量が少ないので肥満になりやすくなる。
  • 精神の疲れと体の疲れがちぐはぐになるので、精神的な健康状態も悪化しやすい。
  • 定期的に体を動かして残業を減らそう。

ということです。
今は立って会議をする会社もあるそうですが、長時間立ち続けるのも体につらいでしょう。
ですから、やはり1時間おきくらいに軽い運動をして体をほぐすのが一番なのです。
オフィス内であまり体を動かすのは好ましくない場合は、休憩室や洗面所などに行って体を動かしましょう。
トイレのついでに体を動かしても効果的です。
また、前述したように休憩時間に社員全体で体操をしてもよいでしょう。