職場の喫煙対策とは? 衛生管理者がするべき対策内容について知ろう!

最近、職場における喫煙対策に力を入れる企業・会社が増えてきました。
タバコの煙は、吸わない人にも悪影響をおよぼしてしまうものです。
ほかの人が吸っているタバコの煙を「副流煙(ふくりゅうえん)」と言います。
副流煙は、喫煙者が吸う煙よりも悪いと言われているのです。
従業員が働きやすい環境をつくるためにも、衛生管理者が対策を実施していかなければなりません。
そこで、職場の喫煙対策、実施している対策例、注意点について説明します。
まだ、経験の浅い衛生管理者は、ぜひ参考にしてくださいね。

目次

  1. 職場の喫煙対策
  2. 実施している対策例
  3. 喫煙対策をする際の注意点
  4. まとめ

1.職場の喫煙対策

職場の喫煙対策をするにあたり、チェックしておきたいポイントについて説明します。
どのような対策をすればよいのか悩んでいる衛生管理者は、ぜひ参考にしてください。
ポイントをつかめば、うまく対策ができますよ。

1-1.現状における喫煙の問題点を明確にする

職場の喫煙対策をするには、現状における喫煙の問題点を見つけなければなりません。
問題点を改善するための対策が必要になります。
問題点を見つけるために、3つのポイントをチェックしてください。
3つのポイントとは、「職場での喫煙実態」「喫煙に関する従業員の意見」「空気環境の測定結果」になります。
効果的な対策をするには、職場での喫煙実態を把握しなければなりません。
実際の職場を見て、喫煙環境がどのようになっているのかチェックしてください。
喫煙環境はもちろん、空気環境の測定も必要不可欠です。測定することで、空気環境がどのくらい悪いのか把握できますよ。
そして、最も大切なポイントになるのが、喫煙に関する従業員の意見です。
実際、職場で働いている人たちがどのように思っているのか、意見を聞いてください。
従業員の意見は、対策の大きなポイントになります。
従業員の意見によって、するべき対策が見えてくるでしょう。
以上のポイントを踏まえ、現状における喫煙の問題点を明確にしてくださいね。

1-2.問題点をどのように解決するのか

問題点が明確になると、どうすれば解決できるのか考えてください。
問題点を解決する具体的な対策を立てていきましょう。
計画は、できるだけ長期・中期的にできる内容が好ましいです。
効果的な対策・計画を立てるためにも、推進体制を整備しなければなりません。
衛生管理者だけでは、対策を立てる限界があるでしょう。
喫煙対策委員会を立ち上げ、話し合いながら計画を進めてください。
喫煙対策委員会は、衛生管理者・喫煙者・非喫煙者で構成しましょう。
それぞれの意見をきちんと取り入れなければ、スムーズに対策できません。

1-3.基本的な対策は、施設・設備面の充実

職場における喫煙対策は、一般的に、施設・設備面の充実になります。
喫煙室などの施設を会社につくってください。
喫煙コーナーを設置することで、非喫煙者への影響を防ぐことができます。
新規に施設をつくる際は、喫煙コーナーの設置も視野に入れてください。
既存のオフィス内や事業所に新たにつくる際は、工夫が必要です。
どのスペースにつくるのか、計画を進めていきましょう。
喫煙者が吸いやすいように、就業場所や休憩所の近くにつくるとよいですよ。
喫煙者・非喫煙者どちらにとってもよい対策になるよう、心がけることが大切になります。

2.実施している対策例

2-1.従業員へのアンケート実施

実際に、会社や企業が取り入れている職場の喫煙対策を紹介します。
喫煙対策を積極的に実施しているところでは、定期的に従業員へのアンケートを実施しているのです。
アンケートをすることで、喫煙者・非喫煙者からの意見を同時に聞くことができます。
職場の喫煙対策は、つい、非喫煙者中心に考えてしまいますが、喫煙者の意見も大切です。
衛生管理者は中立の立場になり、考えていかなければなりません。
従業員へのアンケートを実施している会社では、アンケート内容に2点を必ず入れています。
「職場における喫煙への状況」と「喫煙の有無・喫煙本数」などです。
アンケートをする際は、2点に注目してくださいね。
従業員からのアンケート回答は、喫煙場所の設置場所・喫煙コーナーの数、喫煙対策機器の導入に役立つでしょう。

2-2.タバコの煙を排出する「喫煙対策機器」の設置

喫煙コーナーの設置はもちろん、喫煙対策機器も整えておかなければなりません。
実際に、喫煙コーナーを設置しているところには、喫煙対策機器を設置しています。
喫煙対策機器は、タバコの煙をスムーズにそとへ排出するために必要な機器です。
喫煙室の排気装置や換気扇の設置、屋外に喫煙コーナーをつくる、オフィス内や廊下にも換気扇を設置するなど、さまざまな取り組みをしています。
大切なのは、タバコの煙を屋外に排出することです。
喫煙コーナーを設置しても、排気設備を整えておかなければ意味がありません。
喫煙室を設置するときは、喫煙対策機器についても検討してくださいね。

3.喫煙対策をする際の注意点

3-1.喫煙に対する従業員の教育も大切

喫煙対策をする際、注意点がいくつかあります。
喫煙対策をするための施設や設備を整えることも大切です。
しかし、従業員への教育も大切なポイントになりますよ。
衛生管理者は会社のトップと相談しつつ、受動喫煙による体への悪影響や喫煙行動に関する教育・相談をしていかなければなりません。
教育をきちんとすることで、喫煙者自体の健康も向上できます。
衛生管理者は、従業員の健康管理も大切な役割の1つです。
そのため、喫煙対策になる教育や意識向上をしていきましょう。
喫煙者に対しては、吸い殻の処分や健康診断の相談、健康への悪影響を伝えてください。
そして、非喫煙者には、受動喫煙に対する対策を指導していきましょう。
喫煙対策を高めるため、ポスターを貼る企業もありますよ。

3-2.喫煙者と非喫煙者の理解が大切

先ほども少し言いましたが、喫煙者と非喫煙者の意見を同時に取り入れていかなければなりません。
片方の意見ばかり優先すると、不満をもってしまいます。
喫煙者は、非喫煙者への悪影響を、非喫煙者は喫煙コーナーで喫煙することに対する理解が必要です。
お互いがきちんと理解し合えることで、本当の喫煙対策ができるでしょう。
衛生管理者が、相互理解の橋渡しになることも大切な役割の1つです。
喫煙者と非喫煙者、お互いが思いやりをもてば、スムーズに喫煙対策が進みますよ。

4.まとめ

職場の喫煙対策や実施している対策例、喫煙対策をする際の注意点について説明しましたが、いかがでしたでしょうか。
衛生管理者として経験が浅い人は、どのように対策すればよいのかわかりませんよね。
しかし、きちんと職場の現状を受け止め、問題点が見つかれば対策を立てることができます。

  • 現状における喫煙の問題点を明確にする
  • 問題点をどのように解決するのか考える
  • 基本的な対策は、施設・設備面の充実
  • 従業員へのアンケート実施
  • タバコの煙を排出する「喫煙対策機器」の設置
  • 喫煙に対する従業員の教育も大切
  • 喫煙者と非喫煙者の理解が大切

以上のポイントは、ぜひ頭の中に入れておいてくださいね。
ポイントを踏まえつつ、従業員の意見を聞き出していきましょう。
従業員の意見は、何よりも喫煙対策の参考になりますよ。
喫煙対策を実施しながら、対策結果を検討してくださいね。
対策結果から新たな課題が見えてくるでしょう。