コントロールバンディングって何? やり方や使い道を解説します。

コントロールバンディングとは、厚生労働省から提供されているリスクアセスメント支援ツールの一種です。これを使用すれば、作業環境測定を行わなくても、作業のリスクアセスメントをある程度行うことができます。

今回は、コントロールバンディングのメリットとデメリットや、やり方を解説しましょう。

  1. コントロールバンディングの基礎知識
  2. コントロールバンディングのメリット・デメリット
  3. コントロールバンディングのやり方など
  4. コントロールバンディングに対するよくある質問

化学物質をはじめとする人体に有害な物質を取り扱っている職場では、コントロールバンディングを実施することで、より安全に仕事ができることでしょう。職場の安全管理を行っている方は、ぜひこの記事を読んでみてくださいね。

1.コントロールバンディングの基礎知識

はじめに、コントロールバンディングとはどのようなものか、ということを解説します。職場のリスクアセスメントにどのように役立つのでしょうか?

1-1.コントロールバンディングとは何か?

コントロールバンディングとは、前述のとおり、厚生労働省から提供されているリスクアセスメント支援ツールです。もともとは、ILO(国際労働機関)が、開発途上国の中小企業を対象として開発したリスクアセスメントの手段でした。

化学物質をはじめとする体に有害な物質から労働者を守る安全管理としては、作業環境測定があります。しかし、測定には時間と費用がかかるため、こまめに行うことができない企業も多いことでしょう。

コントロールバンディングは有害物質を保管してある容器のラベルや安全データシート(SDS)を基に、必要な情報を記入するだけで、リスクレベルが表示され、対応策などを記した管理対策シートが出力されます。安全データシートにも、物質の有毒性や取り扱い方や管理方法が記載されていますが、化学の知識がない方には分かりにくいケースもあるでしょう。管理対策シートは、より分かりやすい言葉や方法で管理方法を記していますので、化学的な知識がない方も扱いやすくなっています。

1-2.リスクアセスメントとは何か?

リスクアセスメントとは、リスク(危険性)とアセスメント(見積もり)を組み合わせた造語で、職場で行う仕事の危険性や有害性を把握し、対策を立てるまでの作業を指します。リスクアセスメントがうまく行えれば、労働災害の発生を予防することができるでしょう。有害物質を扱っている職場の場合は、安全衛生教育・作業環境測定などが該当します。コントロールバンディングは作業環境測定の補助や、安全衛生教育の資料としても使うことが可能です。

1-3.実施が必要とされる事業所

コントロールバンディングは、体に有害な液体または粉体を使う作業を行う事業所で実施すると、リスクアセスメントに有効です。ただし、粉じんを生ずる作業と化学物質を使う作業ではコントロールバンディングを行う場所が異なるので、注意してください。また、有害物質に関する専門的な知識を持っている従業員が少ない事業所でも、必要です。

2.コントロールバンディングのメリット・デメリット

コントロールバンディングは、

  • 労働者のばく露濃度(体内に取り入れた有害物質の濃度)を測定しなくても、リスクアセスメントができる
  • 有害物質に対する知識が少なくても、情報を入力するだけでリスクアセスメントができる
  • 許容濃度等、化学物質のばく露限界値が分からなくても測定を行うことができ、リスクアセスメントができる

といったメリットがあります。その一方で、

  • 簡易的な測定方法なので、作業環境などによっては誤差が大きい
  • 有害物質の情報がなければ測定はできない

といったデメリットもあるのです。つまり、コントロールバンディングは簡易的なリスクアセスメントが目的であり、環境測定などと併せて有効性が発揮できます。「コントロールバンディングを行っているから、ほかの安全対策を立てる必要はない」と考えてはいけません。

3.コントロールバンディングのやり方など

この項では、コントロールバンディングのやり方や活用方法を解説します。ぜひ参考にしてください。

3-1.コントロールバンディングのやり方

コントロールバンディングは、厚生労働省の職場のあんぜんサイトのページで実施することができます。同じコントロールバンディングでも、化学物質を使用する作業と粉じんが生ずる作業では、入力箇所が異なるので注意しましょう。必要事項を記入すれば、すぐに行えます。

3-2.コントロールバンディングを行う人

コントロールバンディングは、安全管理や衛生管理を行う職務の方が行いましょう。安全管理者が選任されているのならば、その人が行うのが一番です。ただ行うだけでなく、管理対策シートを出力したら、それに基づいてリスクアセスメントを行うことが重要になります。

3-3.リスクアセスメントを行う

コントロールバンディングを行えば、前述のとおり危険な物質に対策管理対策方法が入手できます。化学や医学の知識がなくても有効な管理対策を行うことができるので、マニュアルとして安全管理に活用しましょう。管理対策シートは誰でも見ることのできる場所に保管しておくか、安全管理の資料に用いてください。また、職場のあんぜんサイトでは、コントロールバンディング以外のリスクアセスメントの方法も記載されています。これを参考に、安全管理や安全教育を行いましょう。

3-4.注意点

コントロールバンディングでは、労働安全衛生法などに定められている環境測定などには該当しません。また、公害防止管理にも使うことができないので、注意が必要です。前述のとおり、あくまでも簡易的なツールとして使用してください。

4.コントロールバンディングに対するよくある質問

Q.コントロールバンディングは、ただ数値を入力するだけで行えるのですか?
A.はい。ただし、物質名や数値を間違えないように注意してください。

Q.コントロールバンディングは、担当者の名前の入力欄がありますが、必ず入れなければなりませんか?
A.強制ではないので、大丈夫です。

Q.コントロールバンディングを使った安全教育には、どのようなものがありますか?
A.従業員に仕事で使用している物質の危険性を分かりやすく伝え、安全装置の着用の大切さを教えることができるでしょう。

Q.作業環境測定の結果と相違が大きい場合は、どちらを信用すればいいですか?
A.作業環境測定の方を信用してください。

Q.危険な物質の情報がよく分からない場合は、どうすればいいですか?
A.その物質を購入している業者に聞いてみてください。

5.おわりに

いかがでしたか? 今回は、コントロールバンディングについて解説しました。物質の危険性や管理方法を対策シートとして出力することができれば、安全管理に大いに役立つことでしょう。安全教育や安全管理のマニュアル化に苦労しているという方は、ぜひ利用してみてください。