ノロウイルスが発生したときに! 衛生管理者と職場が行う対策

ウイルスは季節ごとに活動するものが違います。インフルエンザはいつでも流行しているわけではないですよね。
ノロウイルスも同じで活発な活動時期があります。そのため、職場で発生を防ぐ対策・知識が必要です。
この記事では、ノロウイルスが職場で発生したときの対策をご紹介。

目次

  1. ノロウイルスとは
  2. 職場でのノロウイルス対策
  3. かかったときの治療法
  4. まとめ

1.ノロウイルスとは

ニュースなどで聞くことのあるノロウイルス。しかし、実際のところはどのようなウイルスなのでしょうか。しっかりと確認しておきましょう。

1-1.流行する時期と感染源

ノロウイルスは、冬季に流行するウイルスです。いちど掛かると感染性胃腸炎を引き起こしておう吐・下痢(げり)・腹痛が症状として出てきます。また、ひどい場合は吐いたものがのどに詰まって死に至るケースもある病気です。症状は1~2日間と短期なのも特徴。
感染源は、飲食物・人からの感染に分けられます。
飲食物からは、二枚貝やカキなどから感染することが多いようです。しかし、貝類だけでなくウイルスを持っている人が触れた飲食物にも付着して流行します。
最も多い感染ルートは人からです。経口感染・接触感染・飛まつ観戦・空気感染とさまざまなルートで感染します。さらに、菌がちょっと付くだけで感染する力があるので注意しましょう。感染した人の排泄(はいせつ)物は、ノロウイルスの病原菌そのもの。絶対に触れないようにしましょう。

1-2.感染力の強さが流行する理由

ノロウイルスは、いちど感染すると1~2週間は消滅しません。
少量でも感染する力がある上に乾燥にも強いです。また、ウイルスでいっぱいのカーペットから感染するケースも報告されています。そのため、症状が無くなった人でも1週間以上は接触を避けるのがベターです。ときには1か月以上も排泄(はいせつ)物からウイルスが出てきます。

1-3.家庭の食事で気を付けること

人からの感染が多いため家庭でも気を付けましょう。
冬場は調理器具を使った後の処理には注意。調理器具を洗浄した後、塩素系漂白剤である次亜塩素酸ナトリウムに浸しておくとウイルスは活動しません。
また、料理するときは加熱します。85℃で1分以上は加熱しましょう。特に、子どもや高齢者の人への配慮が必要です。

2.職場でのノロウイルス対策

ノロウイルスは人から人への感染に配慮する必要があります。そのため、人の出入りが多い職場での対策は十分にしましょう。

2-1.手洗いは絶対に行う

ウイルス感染にて最も多いのは接触感染と飛まつ感染です。そのため、しっかり手洗いをして接触感染を避けます。
手洗いはインフルエンザだけでなくノロウイルスにも有効です。また、手洗いはしっかりと行う必要があります。
まず、手に付けてある時計や指輪などの装飾品を外しましょう。その後、手を濡(ぬ)らして石けんなど消毒剤を泡立てます。手の甲から始めて指の間、親指、ツメ先の順番で洗っていきましょう。手首まで洗い終えてから石けんを流します。

2-2.感染者との接触に気を付ける

職場にてノロウイルスに感染した人がいれば1週間以上の接触は避けましょう。症状が無くなった後もウイルスが体に残っています。
また、排泄(はいせつ)物に関しては特に注意しましょう。排泄(はいせつ)物はノロウイルスの塊です。ひどい場合は、1か月ぐらいノロウイルスが検出することがあります。

2-3.トイレットペーパーは厚くして使う

トイレットペーパーは厚くして使うようにしましょう。ノロウイルスは、排泄(はいせつ)物を介して別の人に感染する可能性があります。トイレットペーパーが薄いと下痢(げり)などが手に付着してしまう場合があるのです。
手に菌が付着してドアノブ・衣服・蛇口などに触れると他者に感染していきます。トイレ内に手を洗える装置があれば使いましょう。

2-4.職場で食事を取り扱う場合

職場で食事を取り扱う場合は、調理の前後で手を洗ってから扱います。また、調理者が下痢(げり)・吐き気・おう吐・腹痛・発熱の症状があるときは調理してはいけません。
調理するときは、食べ物を85度以上で加熱しましょう。貝類を調理したときは、包丁やまな板をすぐに消毒します。

2-5.感染者が出た場合

職場にて感染者や病状が発症した場合も適切な対応をしましょう。
もし、汚物が発生して処理する場合、処理する以外の人は絶対に近づかないように。ちょっとしたことで感染します。3m以上は距離を取りましょう。
マスクや手袋、メガネを付けて感染しない体勢を作ってから汚物の処理を行います。また、処理に使った雑巾やタオル、ほうきなどはビニール袋に入れてから廃棄しましょう。
さらに、塩素系消毒液や熱した布巾で消毒します。広い範囲に渡って消毒しましょう。消毒液に使うのは次亜塩素酸ナトリウムがおすすめです。使用方法に従って希釈してから使います。

2-6.衛生管理者の役割

職場にてウイルスが流行した場合、衛生管理者は健康障害を防止するための対策を立てましょう。また、健康や流行(りゅうこう)を押さえる対策案を申告する権利があります。
衛生管理者は、職場における労働者の健康管理が仕事です。また、毎週1回以上は事業所を巡視することになっています。

3.かかったときの治療法

感染力の高いノロウイルス。誰でも感染する可能性は秘めています。そこで、かかったときの対処方法を知っておきましょう。

3-1.特効薬はない

ノロウイルスに対して特効薬は、今のところありません。また、抗生物質なども効果がないため普通は使用しないようです。吐き気止めや整腸剤などを使うのが一般的。
しかし、下痢止めを使うのは止めましょう。まずは、体内からウイルスを出すのが先です。

3-2.脱水症状に気を付ける

ノロウイルスに感染して注意したいのが脱水症状。おう吐や下痢(げり)によって体内の水分が出ると体力が落ちます。特に、子どもや高齢者は注意しましょう。
対策としては、経口補水液の摂取がおすすめです。

3-3.体調を整えていく

吐き気や下痢が止まっても体にはウイルスが残っています。そのため、1週間以上は他者との接触を避けましょう。
また、ウイルスに掛かったのは体のバランスが崩れていたことも考えられます。しっかりと体調を整えましょう。

4.まとめ

いかがでしたか?
この記事では職場でのノロウイルス対策を中心に紹介しました。さいごに、対策として大事なポイントをまとめておきましょう。

  • ノロウイルスは感染力が強く簡単に除去できない。
  • 適切な対策をして未然に防ぐ。
  • 普段から手洗いをする。
  • 食事を作るときも手洗いと道具の洗浄を行う。
  • 吐きだしたものや排泄(はいせつ)物には絶対に触らない。

冬場に流行するノロウイルス。このウイルスは、どれだけ気を付けていても感染するときは感染するウイルスのひとつです。普段から気を付けると共に対策方法を知っておきましょう。