知識として知っておきたい! 止血法と種類について

運動していると不意なことでけがをします。けがをした部分は、止血する必要があるのです。そこで、止血法を知っておきましょう。止血法を知っておけば試験の知識・応急処置に役立ちますよ!

  1. 止血の基本
  2. 止血方法の種類
  3. 部位別の止血法とは
  4. 止血法の注意点
  5. まとめ

1.止血の基本

止血にも基本となる考え方があるもの。その基本について知っておきましょう。

1-1.一般的には直接圧迫止血法

止血は、きちんとした方法と知識がある人でないと行えません。傷口へ不用意に触れるとウイルスや細菌感染を引き起こる可能性があるからです。
基本的には、直接圧迫止血法を行います。この方法を行う場合も手袋やポリ袋、レジ袋を使いましょう。

1-2.止血しないと死に至る可能性がある

体内から血液が20%以上失われると出血性ショックになります。さらに、30%以上体から血液が無くなると死に至る可能性があるのです。
出血を止めるためには、止血法を知っておくのは重要となります。小さな傷なら大丈夫です。しかし、大きな切り傷の場合は早めの止血が必要となります。

  • 軽度…一時的なめまい、立ちくらみ。
  • 中等度…青白くなり皮膚が冷たくなる、低血圧、口が渇く、頻脈。
  • 重度…異常に皮膚が白くなる、意識障害、高度の低血圧。

出血量に伴って症状が変わるのを知っておきましょう。

1-3.出血の種類

出血にも種類があります。大きく分けて動脈・静脈・毛細血管に分けられるのです。
動脈が出血すると一気に血が噴き出て失血死の恐れがあります。応急手当が最も必要な出血部位です。
静脈が出血した場合は、短時間で大量出血する心配はありません。特に、四肢に流れる静脈であればガーゼなどで圧迫するので大丈夫です。
毛細血管の止血は、特に何もしなくても勝手に止まります。
血管ごとに出血量は違うので確認しておきましょう。

2.止血法の種類

止血法にはそれぞれ種類があります。この項目にて押さえておきましょう。

2-1.直接圧迫止血法

最も簡単な止血法です。免許や知識がない人が行える方法でもあります。知識がない状態で止血すると傷口からウイルス・細菌が感染するのです。止血するときは、手袋やポリ袋などを使用しましょう。
まず、出血部位を確認するところから始めます。そのとき、傷口が土や泥などで汚れているときは水で洗い流しましょう。その後、出血部位を十分に包める布・タオル・三角巾・ハンカチなどで覆います。この布は、清潔なものでないダメです。
覆った後は、布の上からしっかりと傷口全体を強く圧迫します。圧迫しているのに血液がにじんでくる場合は、圧迫している部位が間違っていることが多いです。いちど布を外してから傷口を確認しましょう。その後、新しい布を用意して再度圧迫します。
大抵の傷口は、この直接圧迫止血法にて防ぐことができるのです。傷の種類や大きさ、出血の程度により圧迫時間は異なります。また、小さな傷でも止血に10分は掛かることを知っておきましょう。

2-2.止血帯法

直接圧迫止血法で止血できないときは、止血帯を使って止血します。三角巾のような大き目の布にて上腕部・太もも部を縛る方法です。大量の出血・動脈性の出血のとき有効な方法となります。
けがをしている上腕・太ももに止血帯を1回だけ巻いて半結びしましょう。その結び目に20センチほどの丈夫な棒を通します。通した後、棒を中心に回転して固定しましょう。止血した後は、止血時間を書いた傷票(きずひょう)を書いておきます。長時間血を止めると筋肉に血が行かなくなるからです。
棒がないときは、布を適当な幅にして中央から2つ折りにします。2つ折りにした後、その両端を交互に差しこんで出血が止まる程度に引き締めましょう。

2-3.止血点を押さえる

傷口からの出血には、動脈・静脈・毛細血管の3つがあります。その傷口の中でも動脈からの出血は危険です。動脈が傷ついた場合、直接圧迫よりも止血点を押さえる方が効果的となります。
止血点とは、傷口よりも心臓に近くて外部から圧迫できる部位です。傷口を圧迫して出血が止まらないときは、止血点を押さえてみましょう。

  • こめかみ
  • 指の関節
  • 腕の内側
  • 腕の付け根
  • またの付け根

3.部位別の止血法とは

けがをして出血するとき、体の部位ごとに出血量や傾向が違います。部位ごとの対処法について知っておきましょう。

3-1.頭の止血法

頭をけがしたときは、ほかの部位に比べて出血量が多いです。頭は多くの血管が張り巡らされているため、ささいな傷でも出血します。
頭をけがしたとき、予想外に血が流れて驚く方も多いでしょう。しかし、冷静にこめかみや直接圧迫で対処します。また、耳の横を親指で強く押さえることで止まることもあるので試してみましょう。
頭の出血で怖いのは、傷だけでなく強打した場合です。頭を強く打っていると脳内出血している可能性があります。
おう吐や鼻血、顔が青白くなる場合は危険です。止血をしっかり行って病院へ行きましょう。

3-2.手・足

手や足は、ほかの部位に比べると止血しやすい上に消毒もやりやすいです。水にぬらすこともできるので対処しやすい場所となります。
手や足を切ったときは、必ず水で洗った上で消毒しましょう。その後、直接圧迫などで止血をします。手の場合は、手首の内側に親指を当てて押さえると止血できるのです。また、指の場合は付け根を強くはさんで止血しましょう。
動脈を切っている場合は、止血点で対処します。

3-3.顔・首の止血法

顔から出血した場合は、下あごのくぼんだ部分を指で押さえましょう。その部分を押さえて止血します。
首の場合は、首側面の脈に指4本を当てましょう。親指に向けてけい動脈を強く圧迫して止血します。そのとき、間違って気管を圧迫しないようにしましょう。コツとしては、気管のすぐ後ろの位置を押さえるようにします。

4.止血法の注意点

止血をするとき、注意しておきたいポイントがあるのです。そのポイントについてしっかり確認しておきましょう。

4-1.患部を圧迫し過ぎる

止血の方法として患部を強く圧迫する方法があります。ガーゼやタオルで強く圧迫することで止血できるのです。
しかし、強く圧迫することで痛みが増す場合があります。患部の状態を考えながら止血を行いましょう。

4-2.患部を心臓より上に挙げる

手や足をけがした場合、出血がある部分を心臓より高く上げて止める方法があります。患部の圧迫や止血点を押さえる作業と同時に行うことで効果が高まるのです。
けがした部分を押さえると同時に患部を高く上げましょう。

4-3.止血時間を確認する

止血を行うときは、長時間止めないようにします。
出血は止めないと失血死する可能性があるもの。しかし、患部にまったく血が流れないとえ死する場合があるのを知っておきましょう。
血が30分以上止まると細胞が死んでいきます。止血は、30分に1回は圧迫を緩めるようにしましょう。

5.まとめ

いかがでしたか?
この記事では、止血法に関する情報をまとめました。止血は、一般的には直接圧迫止血法にて対処します。それ以外の方法は、基本的には行わないようにしましょう。また、けがした部位や血管により出血量は変わります。
出血した場合は、まず直接圧迫止血法にて対処しましょう。傷口を圧迫して血を止めます。出血が止まらないときは、止血点などを押さえて血を止めましょう。体の部位ごとに止血点が違うのでしっかり確認しておいてくださいね。