職場における熱中症予防策について知りたい!衛生管理者としての役割とは

地球温暖化がすすでいる近年、気温が少しずつ上昇しています。
平年よりも夏場は高い温度を記録しているのです。
よって、熱中症になる人も増えてきました。
特に、直射日光が当たるそとで仕事をする人は注意しなければなりません。
そこで、職場における熱中症予防策や熱中症が出たときの対処法、対策を実施する際の注意点について説明します。
衛生管理者として働き始めたばかりの人はぜひチェックしてくださいね。

目次

  1. 職場における熱中症予防策
  2. 熱中症が出たときの対処法
  3. 対策を実施する際の注意点
  4. まとめ

1.職場における熱中症予防策

衛生管理者は職場の人が働きやすい環境づくりをしなければなりません。
熱中症になる人が増えているからこそ、事前の予防策が大切になります。
そこで、職場における熱中症予防策について説明していきましょう。

1‐1.高温多湿作業場所での長時間作業を避ける

熱中症になりやすい場所は直射日光が当たる「そと」です。
室内もこまめに水分補給をしなければ熱中症のような症状は出ます。
そとでの作業は特に注意しなければなりません。
厚生労働省の報告によると、建設業での熱中症患者が多いと判明しています。
そとで作業する職場は、徹底的に熱中症予防策をしなければなりません。
そこで、まずは「長時間の作業」を避けるように工夫してください。
高温多湿作業場所での長時間作業は熱中症になりやすくなります。
長時間作業しているほど水分補給や休憩ができないので要注意です。
高温多湿だからこそこまめな休憩が必要になりますよ。

1‐2.日常の健康管理について指導する

日常の生活習慣が不規則になっている人ほど熱中症になりやすい傾向があります。
睡眠不足が続く、前日にアルコールを過剰摂取する、栄養バランスが偏った食生活など続いている人は注意しなければなりません。
衛生管理者は毎日、従業員の体調を確認することも大切です。
いつもより顔色が悪い人には言葉をかけて、熱中症を防いでください。
休憩室や保健室で休憩するなど指示する必要があります。
また、日常の健康管理について指導することも大切ですよ。
健康管理の指導も衛生管理者にとっては大切な業務になります。

1‐3.熱への順化期間を設ける

水分補給をこまめにする、摂取確認表を作成するのも職場における熱中症予防策のひとつです。
今の現場で職場の人が快適に仕事できるかどうか考えてみてください。
そして、気をつけなければならないのが夏季休暇などの長期間における休みです。
ゆっくり休みを取った後の職場にはたくさんの危険がひそんでいます。
体が熱に慣れていないため、長期休暇後の作業は非常に危険です。
いきなり炎天下の中で長時間作業をすると体が異変を起こしてしまいます。
よって、衛生管理者は熱への順化期間をしっかり設けてください。
できれば「7日以上」かけて、熱への順化をしていかなければなりません。
従業員・作業員の体調を考慮してスケジュールを立てていきましょう。

2.熱中症が出たときの対処法

2‐1.素早い応急処置をする

もし、職場で熱中症が出たとき、素早く応急処置をしなければなりませんね。
熱中症の応急処置は症状によって異なります。
まだ症状が軽い場合は涼しい、風とおしの良い場所に移動して横になるよう指示してください。
そとで作業する場所なら涼しい室内に移動しましょう。
そして、水分・塩分・糖分の補給が大切です。
応急処置をしても一向に症状が治まらない場合、病院へすぐに運んでください。
熱中症はいつの間にか重度にまで進行する可能性が高いため、常に誰かがそばで見ておかなければなりません。
衛生管理者が熱中症になっている人のそばで様子をしっかり確認しておきましょう。
以上のような点に注意しながら、素早く応急処置をほどこしてくださいね。

2‐2.ほかにも熱中症になりそうな人がいないか確認する

熱中症が出たとき、当人の応急処置はもちろんのことほかにも熱中症になりそうな人がいないか確認しなければなりません。
ケースによっては1人の熱中症患者が出ると数人も症状を訴える場合があるのです。
集団で熱中症にかかるとパニックになってしまいます。
すでに、のどが渇いている時点で脱水症状になっているのです。
熱中症が出たらほかの作業員たちも休むように指示するのもひとつの方法になるでしょう。
また、室内の風とおりをよくする、暑さを避ける服装にするなどさまざまな予防があります。
そして、「具合は悪くなっていないか」「体調が少しでもおかしくなったらすぐ休むように」と衛生管理者が指示しなければなりません。
「休んだら怒られる」と思うような職場環境ではなく、「体調不良になったら気兼ねなく休める」環境づくりを心がけてくださいね。

3.対策を実施する際の注意点

3‐1.職場で「暑さ指数」をきちんと把握する

職場における熱中症予防策を実施する際、「暑さ指数」をきちんと把握しなければなりません。
熱中症になる厳重警戒の暑さ指数は28℃からです。
しかし、25℃以上の時点から人間はすでに脱水症状になっていると言われています。実は、近年熱中症になっている人は「脱水症状」に気づかず症状を起こしているのです。「かくれ脱水」と言いますが、25℃以上になったときはこまめな水分補給を休息が必要不可欠になります。
25℃以上から脱水症状の警戒をしてください。
そして、25℃~28℃は定期的に休息・水分補給を行い、28℃~31℃はさらに警戒しなければなりません。
31℃以上になると、非常に危険な暑さ指数になります。
そとで作業をする人たちに注意を呼びかけていきましょう。

3‐2.労働衛生教育を従業員・作業員に行う

熱中症を未然防ぐための対策は、衛生管理者だけの教育では不十分です。
職場で働くすべての人に労働衛生教育をしていかなければなりません。
労働衛生教育は現場での注意事項はもちろんのこと、熱中症の症状や対策・注意点についてしっかり理解してもらうことが大切です。
衛生管理者だけが必死に対策をしても、職場の人間が意識をしなければすべて無になります。
注意喚起をしながら職場の人たち全員に教育をしていきましょう。
労働衛生教育は1回だけではありません。
定期的に何回も繰り返すことで職場の人も意識が向上します。
会社や作業場のトップと話し合いながら労働衛生教育の計画を立ててくださいね。
職場の現状をきちんと把握しながら計画を立てると良いですよ。
衛生管理者は職場と会社のトップをつなぐ大切な役割でもあります。

4.まとめ

職場における熱中症予防策や熱中症が出たときの対処法、対策を実施する際の注意点について説明しましたが、いかがでしたでしょうか。
職場での熱中症を上手に防ぐためには衛生管理者の手腕にかかっています。
しっかり現状を把握しつつ、どうすれば快適な職場になるのか現場で働いている人たちの様子を観察してくださいね。

  • 高温多湿作業場所での長時間作業を続ける
  • 日常の健康管理について指導する
  • 熱への順化期間を設ける
  • 素早い応急処置をする
  • ほかにも熱中症になりそうな人がいないか確認する
  • 職場で「暑さ指数」をきちんと把握する
  • 労働衛生教育を従業員・作業員に行う

以上のポイントは要チェックです。
適切な対策をするためにも現場で働いている人たちとコミュニケーションを取っていかなければなりません。
積極的にコミュニケーションを取りながら熱中症対策を実施してくださいね。