衛生管理者資格の履歴書への書き方を解説! 注意すべきポイントは?
衛生管理者は、従業員が50名以上所属している職場で選任が必要な資格です。衛生管理者資格を活用し、転職活動をしたい人もいるでしょう。その場合、「資格を保持していることをアピールしたいけど、履歴書をどのように書いていいか分からない」と迷っている人もいると思います。
今回は、衛生管理者の資格を活用して転職をする場合の履歴書の書き方を紹介しましょう。
この記事を読めば、衛生管理者の資格取得方法も分かります。衛生管理者の資格を取得したい人や、衛生管理者の資格を活用して就職活動をしたい人はぜひ読んでみてくださいね。
1.衛生管理者資格の履歴書への書き方
はじめに、衛生管理者をはじめとする仕事に役立つ資格の履歴書への記入法を紹介します。
1-1.資格は免許・資格の欄に書く
衛生管理者の資格を取得している場合、履歴書の免許・資格の欄に記入しましょう。学歴や職歴の欄に取得年月日や資格名などを書く必要はありません。
1-2.資格は正式名称を書く
履歴書に記入するときは、資格の正式名称を書きましょう。衛生管理者ならば(第一種・第二種)衛生管理者と記入します。危険物乙4(危険物取扱者乙種四類)など、略称の知名度が高いからといって、略称を書かないようにしましょう。
1-3.資格を複数持っているときは取得の早い順に記入する
資格や免許を複数取得している場合は、取得が早い順に記入していきます。たとえば、衛生管理者の第一種・第二種両方を取得しているならば、取得の早い順から記入しましょう。
1-4.資格を書ききれない場合は仕事に役立つ資格を書く
資格をたくさん持っていて履歴書に書ききれない場合は、面接を受ける企業に関係があったり、仕事に役立つ資格をピックアップして書いておきましょう。面接時に書ききれなかった資格を説明してもかまいません。
1-5.履歴書は基本的に手書き
履歴書は、基本的に手書きで書きます。しかし、メールに添付して履歴書を送る場合などはパソコンで製作してもかまいません。
2.衛生管理者の資格と転職への活用方法
この項では、衛生管理者の資格を取得するメリットや有資格者ができることなどを紹介します。
2-1.衛生管理者は国家資格
衛生管理者は、労働者が安全かつ健康的に仕事が行えるように職場環境を整える職務を行う国家資格です。資格区分は第一種と第二種があり、第一種は、すべての職場で衛生管理を行えます。第二種は、小売業など労働災害が起こりにくい職種で衛生管理をすることが可能です。衛生管理者は資格試験を受けて取得しますが、第二種のほうが受験資格を容易に得ることができます。また、第二種を取得すれば第一種を取得する際、資格試験の一部が免除されるので、ぜひ一種の取得を目指しましょう。
2-2.衛生管理者の職務は多い
職場の衛生管理には、以下のような職務があります。
- 衛生教育:従業員が健康的に仕事が行えるように、職場で扱っている健康に害があるものの扱い方や仕事のやり方などを教育する
- 健康診断の計画・実施・結果の管理
- 作業環境管理:従業員が健康的に仕事ができるよう、職場を整える。必要ならば経営者に意見をする
- ストレスチェックの実施補佐
- 労働衛生委員会(安全衛生委員会)の結成・運営など
- 産業医と従業員の橋渡し
- 労働災害が発生した場合、原因の調査や報告、再発防止を行う
- 従業員のケガや病気の統計を取る
なお、一種しか衛生管理が行えない製造業や有害業務を行う職場のほうが、仕事が多い傾向があります。職場によっては仕事が忙しくなることもあるでしょう。
2-3.過労死を防ぐためにも衛生管理者の仕事は大切
技術の進歩により、有害業務による労災発生件数は減少傾向にあります。しかし、その一方で長時間勤務や強いストレスによる過労死が大きな問題となっているです。過労死を未然に防ぎ、従業員が健康に働き続けるためには、衛生管理者が実施や実施補佐する健康診断やストレスチェックが重要な役割を果たします。また、産業医と協力することにより、早めに休職や異動の相談ができる体制を整えることも重要です。衛生管理者の職務は今後ますます重要になっていくでしょう。
2-4.衛生管理者の資格は転職や昇給に役立つ
衛生管理者は、職種問わず50名以上の従業員が所属している事業所には選任が必要です。雇用形態は関係ありません。パートが49人に正社員1人でも必要です。また、第一種衛生管理者の選任が必要な場合は、正社員として有資格者を雇用しなければなりません。第二種衛生管理者も、基本は正社員です(長期契約した契約社員でも可能)。ですから、転職の際には資格が武器になるでしょう。また、衛生管理者の資格を活用して仕事をすると、数千円の資格手当がつく職場もあります。
3.衛生管理者の資格取得方法
この項では、衛生管理者の資格取得方法や勉強方法について紹介します。
3-1.衛生管理者は資格試験を受けて取得する
衛生管理者の資格は、安全衛生技術試験協会が主催する試験を受けて合格すれば取得できます。また、薬剤師・保健師・医師などの資格を持っている人は、各自治体の労働基準監督署に申請を行うことで、第一種衛生管理者の資格が取得可能です。ちなみに、試験を受けるには一定の実務経験が必要になります。実務経験は学歴によって異なるので、詳しくは安全衛生技術試験協会のサイトを確認してください。
3-2.衛生管理者の試験はほぼ毎月ある
衛生管理者の試験は、全国各地の安全衛生技術センターで行われます。全都道府県で試験が行われるわけではないので、注意しましょう。試験は最低でも1か月に1度あります。国家試験の中では最も試験回数が多い試験なので、思い立ったらすぐに受験することも可能です。ただし、試験日には平日も含まれています。
土日の試験日は人気があるので、受けたい人は早めに申し込んでください。詳しい日程やセンターの場所は、安全衛生技術試験協会のサイトに記載されているので確認しましょう。試験は、全国どこのセンターで試験を受けてもかまいません。
なお、会場がいっぱいになった時点で、試験の申込期間中でも募集を締め切ります。試験の申し込みは試験日の1か月前から始めるので、申し込みを忘れないようにしましょう。年に1度、センターから遠いところに住んでいる人向けに地方試験も実施されるので、それを利用してもいいですね。
試験の申し込みは、安全衛生技術試験協会のサイトから願書を入手し、必要事項を記入して試験を受けたいセンターあてに郵送しましょう。受験料は6,800円です。電子申請は行っていません。
3-3.合格率は高めだが易しい試験ではない
衛生管理者の試験は3科目の学科試験です。第一種・第二種とも科目数は同じですが、第一種は有害業務に関する問題が出ます。マークシート方式ですので、必要な知識を暗記していれば合格可能です。
2017年度、衛生管理者の合格率は第一種が45%、第二種が55%でした。国家試験の中では高いほうです。しかし、これは1年に何度も試験を受けられるせいでもあります。一度の試験で合格できる人は全体の25%前後と言われていますので、決して易しい試験ではありません。
4.衛生管理者に関するよくある質問
この項では、衛生管理者に関する質問を紹介します。
Q.衛生管理者は、男女どちらが向いているでしょうか?
A.男女どちらでも問題なく行える職務ですが、従業員の性別に男性が多い場合は男性が、女性が多い場合は女性が選任されたほうがうまくいくこともあります。
Q.従業員が増員して60名以上になり衛生管理者が必要になった場合は、いつまでに選任が必要でしょうか?
A.50名を超えた直後から選任が必要です。ですから、50名を超えることが確実になった時点で選任しましょう。
Q.衛生管理者は近くに複数の事業所がある場合、兼任は可能ですか?
A.衛生管理者の選任が1名のときは兼任できません。
Q.衛生管理者は、第一種を取得しておいたほうが就職に有利ですか?
A.はい。ぜひ第一種取得を目指しましょう。
Q.第二種衛生管理者は取得しても転職や就職には有利ではありませんか?
A.そんなことはありませんが、第一種に比べると衛生管理業務ができる職場が少ないので、可能ならば第一種も取得しましょう。
まとめ
今回は、衛生管理者の資格を活用して就職したい場合の履歴書の書き方を中心に、資格取得方法や仕事内容まで説明しました。衛生管理者はどんな職場でも一定の人数が所属していれば、選任が必要です。大企業ほど需要が高いと言えるでしょう。受験できる条件を備えているならば、ぜひ取得に挑戦してみましょう。昇給にも役立ちます。